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スーパーのノンアル棚で、あの深い赤色の缶を探してもう何度も空振りしている——「ワインの休日」で検索した人の多くが、いま同じ壁にぶつかっています。数年前まで当たり前のように積まれていたのに、気づけば棚の一角がまるごと別の缶に置き換わっている。終売したのか、名前が変わったのか、それとも自分の行く店だけの話なのか。答えがはっきりしないまま探し続けるのは、なかなかつらいものです。
結論から言えば、正式名称は「ノンアルでワインの休日」で、サントリーがワインを蒸溜してアルコール分を抜いた「ワインエキス」を使ってつくったノンアルコールワインテイスト飲料です。そして2026年8月時点で、サントリー公式のニュースリリースに「終売」の告知は見当たりません。ただし赤・白の定番缶は大手酒販チェーンの通販ページで取り扱いのない状態が続き、代わりに同じワインエキス製法を使った缶が「のんある酒場」ブランドから並んでいます。つまり、探し方を商品名から製法と味の方向に切り替えると、後継にあたる1本にすぐ届きます。
この記事では、公式のニュースリリースで確認できる発売日・スペック・価格だけを土台に、「ワインの休日」というブランドがたどってきた道のりと、いま実際に買える缶、そして日本酒党がこの枠をどう埋めるかまでを整理します。噂や体験談ではなく、一次情報でたどれる範囲を線でつないでいきます。
・正式名称は「ノンアルでワインの休日」。2022年3月1日に赤・白の2種で発売された350ml缶
・中身はぶどう果汁ではなく、醸造したワインを蒸溜してアルコール分を取り除いた「ワインエキス」入り
・公式に終売の告知は確認できないが、定番の赤・白は入手しづらい状態。同じ製法の缶は「のんある酒場」から141円(税別)で展開中
・ブランド名が残るのは機能性表示食品の「ノンアルでワインの休日プラス+〈赤〉」
「ワインの休日」とは何だったのか、まず正体を整理する

正式名称は「ノンアルでワインの休日」、2022年春に赤・白の2種で登場した
検索窓に打ち込まれる「ワインの休日」は、サントリーワインインターナショナルが手がけたノンアルコールワインテイスト飲料「ノンアルでワインの休日」の略称です。2022年3月1日に〈赤〉と〈白〉の2種が全国で同時発売され、容量は350ml缶、アルコール分は0.00%。ワインの銘柄名のようでいて頭に「ノンアルで」が付く独特のネーミングだったため、覚えている人ほど後半だけを口にするようになり、略称のほうが検索語として定着したという経緯があります。
名前の付け方には狙いがはっきり出ていました。ワインという言葉を残しつつ、「休日」で飲用シーンを指定している。夜の食卓で開けるお酒ではなく、翌日に予定がある日、車を出す日、家で映画を観る午後——そういう時間に手が伸びる缶として設計されたわけです。ボトルではなく350ml缶を選んだのも、1人分を飲みきれるサイズにして、開けた後の保存を考えなくていいようにするためでした。
見分け方は簡単で、缶の表側にブランド名が縦に入り、赤はぶどうの果実感を思わせる濃い色、白は淡いイエロー系のデザインでした。棚では輸入のノンアルワインボトルの近くではなく、缶のノンアル飲料が並ぶ一角に置かれることが多かった商品です。ここを勘違いしてワイン売り場だけを見ていると、当時から見つけにくい商品でもありました。
発売1か月で20万ケース、年間計画を4倍に引き上げた立ち上がり
この商品がどれだけ勢いよく走り出したかは、サントリーが出した1本のリリースに集約されています。発売月である2022年3月末までに販売数量が20万ケースに達し、同社は2022年の販売計画を当初の4倍にあたる80万ケースへ上方修正しました。当初の年間目標を、発売からわずか1か月で使い切った計算になります。
背景には、ノンアル市場そのものの伸びがありました。サントリーの推定では、2024年のノンアルコール飲料市場は約4,580万ケース(対前年111%)と10年前の約1.6倍に拡大し、2025年は約4,730万ケース、2030年には5,600万ケース規模になると見込まれています。ビールテイストとチューハイテイストが先に育った市場で、ワインテイストは長く手薄なジャンルでした。そこに「ワインらしさ」を打ち出した缶が入ったことで、待っていた層が一気に動いたわけです。
数字を追うときに気をつけたいのは、ケース数はあくまで出荷ベースの指標で、店頭での定着とは別だという点です。立ち上がりが強い商品ほど初回の出荷が跳ね、その後の定番棚に残れるかどうかは別の勝負になります。このブランドのその後を読むうえで、この視点は後の章につながってきます。
ぶどう果汁ではない、「ワインエキス」という中身の設計
「ノンアルでワインの休日」の核心は、醸造したワインを蒸溜してアルコール分を取り除いてつくった「ワインエキス」を使っている点にあります。ぶどう果汁を炭酸で割った飲料とは出発点が違い、いったんワインとして発酵させた液体から、アルコールだけを引き算しているわけです。発酵によって生まれた香りや渋みの成分が残るため、果汁だけでは出せない「後ろに一本芯が通った」感じが生まれます。
味の設計も途中で手が入っています。2023年11月下旬以降に順次リニューアルされた際、赤はベリーのような香りと渋みを足しつつ甘さを控えめに、白は柑橘系の香りを加えて酸味と甘さを控えめに調整されました。ノンアル飲料は甘くしたほうが飲みやすくなる反面、食事の途中で飽きやすくなります。甘さを削る方向にリニューアルしたのは、食中で飲まれることを想定した舵取りでした。
見分け方としては、缶の原材料表示に「ワインエキス(ノンアルコール)」の記載があるかどうかを見るのが確実です。〈赤〉の原材料は果実(ぶどう、カシス)、糖類、ワインエキス(ノンアルコール)に炭酸・酸味料・香料・ブドウ果皮色素という並びで、果汁は18%。小売各社の商品ページに載る栄養成分表示では、100mlあたり19kcal、ポリフェノール60mgと記載されています。カシスが入っているのは、赤ワインの果実感を補強するための配合です。
0.00%は「お酒ではない」——酒税法の線引きを知っておく
アルコール分0.00%と書かれた飲料は、法律上どう扱われるのか。国税庁の説明では、酒税法上の酒類とはアルコール分1度以上の飲料を指します。したがって1度未満のノンアルコール飲料は酒税法上の酒類にはあたらず、酒税もかかりません。缶チューハイやワインと同じ棚に並んでいても、制度上の区分は清涼飲料の側にあるということです。
この線引きを知っておくと、表示の読み方が変わります。「アルコール0.00%」と「アルコール分1%未満」はどちらも酒類ではありませんが、後者は微量のアルコールを含む場合があります。0.00%表記の商品はアルコールを検出しない水準まで設計されている一方、微アルコールと呼ばれるカテゴリーは意図的に低い度数を残しています。同じノンアル棚でも中身の考え方が違うので、缶の表示を確認する習慣をつけておくと迷いません。
酒税法上の酒類はアルコール分1度以上の飲料で、0.00%のノンアルコール飲料は酒類にあたりません。ただしメーカーはノンアルコール飲料を20歳以上の方向けの商品として案内しています。20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
探しても見つからない——棚から姿を消したように見える3つの背景
公式リリースに「終売」の告知は見当たらない
まず事実関係を正確に押さえます。サントリーが出しているニュースリリースをたどっても、「ノンアルでワインの休日」を終売するという告知は確認できません。SNSや個人ブログには「ブランドが統合されて消えた」という書き込みが並びますが、そこに公式の発表や問い合わせ回答が引用されているケースは見つかりませんでした。つまり現時点で言えるのは「公にアナウンスされた終売はない」までです。
一方で、大手酒販チェーンの通販ページでは定番の〈赤〉が「現在ご購入いただけない商品です」と表示され、購入導線が閉じています。公式の告知がないまま流通在庫が細っていく状態は、飲料や食品では珍しくありません。定番から外れた商品は、告知なしに出荷が絞られ、店頭在庫が尽きた順に棚落ちしていくためです。
探す側としてやりがちなのは、「終売と書かれていない=どこかで普通に買えるはず」と考えて店を回り続けることです。判断材料になるのは公式告知の有無ではなく、大手流通の商品ページが生きているかどうか。複数の大手通販で購入導線が閉じていたら、店頭在庫を探す旅ではなく代替品を選ぶ段階に来ていると考えるのが現実的です。
失敗パターン①:商品名だけで検索し続けて空振りする
いちばん多い遠回りが、「ワインの休日」という商品名だけを手がかりに探し続けるパターンです。原因は、缶のノンアル飲料が銘柄よりもブランドの器で管理されている点にあります。日本酒のように蔵と銘柄が一対一で結びつく世界とは違い、メーカーのノンアルは「レモンサワー」「ハイボール」「赤ワインスパークリング」といった味の名前で棚が組まれ、その上にブランド名が乗る構造です。ブランドが整理されれば、中身が近くても名前は変わります。
対策はシンプルで、探す軸を商品名から中身の条件に切り替えることです。具体的には「ワインエキス(ノンアルコール)を使っている」「アルコール分0.00%」「350ml缶」「赤か白か」の4点。この条件で棚を見ると、名前が違っても近い設計の缶がすぐ見つかります。原材料表示は缶の裏に必ず印字されているので、店頭でも1本手に取れば判断できます。
もう一点、覚えておくと得なのは、ノンアル缶は同じ店でも売り場が2か所に分かれることです。ビール・チューハイのノンアル一角と、清涼飲料の炭酸コーナーの両方に置かれる店があります。片方だけ見て「置いていない」と判断せず、もう一方も確認してみてください。

今夜は飲まないでおこう、と決めた日ほど、手にする飲み物に困ります。麦茶では食卓が締まらないし、ジュースは甘すぎて料理の邪魔をする。かといって水を注ぐだけでは、い…
定番より期間限定が主役になっていた展開
ブランドの動きを時系列で並べると、ある傾向が見えてきます。2023年12月に〈ロゼ辛口〉、2024年4月に〈サングリア オレンジ&カシス〉、2024年12月に〈桃香るロゼスパークリング〉、2025年2月に〈りんごの贅沢スパークリング〉、2025年4月に〈白 レモン一搾り〉。いずれも期間限定で、ほぼ四半期ごとに新しい味が投入されていました。
期間限定の連打は話題づくりに効く一方、棚のスペースを食い合います。同じブランドで5種類が回れば、定番の赤・白に割り当てられるフェイス数はどうしても減っていきます。店側から見ると「新しいほうを置く」判断が自然で、結果として定番が目に入りにくくなる。読者が「急に見かけなくなった」と感じる体感は、この棚の力学とも重なります。
知っておくと役立つのは、期間限定品は販売期間を過ぎれば追加生産されないという前提です。〈桃香るロゼスパークリング〉や〈りんごの贅沢スパークリング〉を気に入った人が翌年に同じ缶を探しても、原則として戻ってきません。気に入った期間限定品は、見つけたときに複数本確保しておくのが現実的な付き合い方です。
2025年のブランド再編、ノンアルが1つの部署にまとまった
もう一つの背景が、メーカー側の組織の動きです。報道によれば、サントリーは2025年1月にビール本部・ワイン本部・スピリッツ本部それぞれにあったノンアル担当を統合し、「ノンアル部」を新設しました。ノンアルコール飲料を「アルコール0.00%のお酒」と位置づけ、ブランドポートフォリオを再構築する方針が示されています。
本部ごとにノンアルを持っていた時代は、ワイン本部が出す缶とビール本部が出す缶が別のブランドで並んでいました。1つの部署にまとまれば、ブランドを絞って売場での存在感を高める整理が起きるのは自然な流れです。実際、2025年7月には「のんある酒場」から赤・白のワインスパークリングが登場し、2026年1月中旬以降はレモンサワー・ハイボール・赤ワインスパークリング・白ワインスパークリングの定番4種としてリニューアルされました。
実質的な受け皿はこれ|「のんある酒場」の赤・白ワインスパークリング

141円(税別)の350ml缶、2025年7月に登場した2本
いま同じ役割を担っているのが、「のんある酒場 赤ワインスパークリング ノンアルコール」と「同 白ワインスパークリング ノンアルコール」です。2025年7月15日に全国で発売され、容量は350ml缶、アルコール分は0.00%、希望小売価格は141円(税別)。発売時のリリースには、ワインを蒸溜してアルコール分を取り除いた「ワインエキス」を使うと明記されています。中身の出発点が同じである点が、この2本を「受け皿」と呼べる根拠です。
希望小売価格が明示されているのも、探す側にはありがたいポイントです。「ノンアルでワインの休日」はオープン価格だったため、店ごとの売価の幅が読みにくい商品でした。141円(税別)という基準があると、安売り店との差も、まとめ買いの損得も判断しやすくなります。
注意したいのは、ブランド名に「酒場」と入っているせいで、居酒屋メニューを模した缶——レモンサワーやハイボール——の並びに置かれることです。ワインテイストを探しているつもりでチューハイの列を素通りしてしまうと見逃します。棚では黄色や透明系のレモンサワー缶の隣に、ワイン色の缶が2本だけ挟まっている、という並び方をよく見かけます。
| 商品名 | のんある酒場 赤ワインスパークリング ノンアルコール/同 白ワインスパークリング ノンアルコール |
| 発売日 | 2025年7月15日(2026年1月中旬以降にパッケージリニューアル) |
| 中身の設計 | ワインを蒸溜しアルコール分を取り除いた「ワインエキス」を使用 |
| アルコール分 | 0.00% |
| 容量・価格 | 350ml缶/141円(税別・希望小売価格) |
| おすすめの飲み方 | 冷蔵庫でよく冷やし、小さめのグラスに注いで食事と一緒に |
2026年1月のリニューアルで「定番4種」の一角に入った
2026年1月中旬以降、「のんある酒場」はレモンサワー・ハイボール・赤ワインスパークリング・白ワインスパークリングの定番4種としてリニューアルされました。赤と白のワインスパークリングについては、リリース上の変更点はパッケージリニューアルのみ。中味は据え置きということです。
この「定番4種」という言葉には意味があります。期間限定として回されるフレーバーと違い、定番に組み込まれた商品は棚の固定枠を持ちます。同じ味を来月も来年も買える可能性が高いのは、期間限定品より定番のほうです。「ワインの休日」で味を気に入っていた人ほど、今度は定番枠に入った銘柄を選んでおくと、また探し回る事態を避けられます。
細かい話ですが、パッケージリニューアル直後は旧デザインと新デザインが同じ棚に混在します。中味が同じでも見た目が変わるため、「前に買ったのと違う缶だ」と感じて手を引っ込めてしまう人がいます。商品名とアルコール分の表示が一致していれば同じ中味です。
味の方向は「食事に合う軽やかさ」に振られている
リリースで説明されている中味の特徴は、本格的なスパークリングワインのようなフルーティな香りと果実味、そして食事に合う軽やかな味わい。ここが「ノンアルでワインの休日」との性格の違いです。あちらは休日の午後に単体で楽しむ想定が前面にあり、こちらは食事の横に置く前提で設計されています。
実用面で効いてくるのは炭酸です。スパークリングとして設計されているぶん、口に含んだときの立ち上がりが軽く、後を引きません。甘さが舌に残るタイプのノンアルは食事の途中で持て余しがちですが、炭酸が強めの設計なら、料理の脂を流す役割を任せられます。日本酒でいえば、燗酒よりも冷やした発泡タイプに近い立ち位置です。
合わせるなら、赤は醤油だれの焼き鳥やハンバーグなど、しっかりした味付けの料理。白は白身魚のカルパッチョ、鶏の塩焼き、チーズなど。日本酒好きなら、赤には牛すじの煮込み、白には出汁の効いた茶碗蒸しを合わせてみると、和食にも意外と収まることが分かります。
ワインエキス由来の果実味で醤油だれの料理に寄り添う、定番枠の赤はこちら▼
軽い炭酸と酸で食事を流したい日に選びたい、定番枠の白はこちら▼
ブランド名が残る「プラス+〈赤〉」は何が違うのか
唯一「ノンアルでワインの休日」を名乗り続けている缶
ブランド名が完全に消えたわけではありません。2024年10月8日に発売された「ノンアルでワインの休日プラス+〈赤〉」は、いまもブランド名を冠したまま販売が続いています。350ml缶、アルコール分0.00%、希望小売価格はオープン価格。定番の赤・白を探していた人が最初にたどり着くのは、多くの場合この缶です。
ただし中身は定番の赤とイコールではありません。発売時のリリースによると、品目は「19%ぶどう果汁入り飲料(炭酸ガス入り)」で、ブランドの特長であるワインエキスに加えて厳選したぶどう果汁を配合し、濃くリッチな味わいに仕上げたスパークリングタイプとされています。果汁の比率が上がっているぶん、定番の赤よりも果実の甘やかさが前に出る設計です。
見分け方は缶の表示です。「プラス+」の文字と、機能性表示食品である旨、そして届出番号が印字されています。定番の赤にはこれらの記載がありません。同じブランド名でも別の商品なので、「前と味が違う」と感じたときは表示を見比べてみてください。
機能性表示食品としての中身:ローズヒップ由来ティリロサイド
「プラス+」の名前が示すのは、機能性表示食品としての届出があることです。機能性関与成分はローズヒップ由来ティリロサイド0.1mg。届出表示は「本品にはローズヒップ由来ティリロサイドが含まれます。ローズヒップ由来ティリロサイドには、BMIが高めの方の内臓脂肪(お腹の脂肪)を減らす機能があることが報告されています」と定められています。
ここで大事なのは、この文言が「報告されています」という形で書かれている点です。機能性表示食品の届出表示は、事業者が提出した科学的根拠に基づく表示であり、断定的な効果の保証ではありません。パッケージの文言をそのまま受け取るのではなく、どういう制度の上に成り立った表示なのかを知って読むほうが、商品選びの精度は上がります。
実際の選び方としては、この成分を目的に選ぶよりも、「果汁が多めでリッチな味の赤」という中味の特徴で選ぶほうが納得しやすいはずです。定番の赤より甘みと厚みがあるので、単体でゆっくり飲む日に向きます。食事に合わせて軽く流したい日は、前章の定番4種のほうが噛み合います。
機能性表示食品の表示は「国の個別審査」ではない
制度の話をもう少しだけ。消費者庁の説明によれば、機能性表示食品は事業者が安全性と機能性の科学的根拠を販売前に消費者庁長官へ届け出ることで機能性を表示できる届出制度です。特定保健用食品(トクホ)のように国が個別に審査して許可を出す仕組みではなく、その旨がパッケージにも注意表示として記載されます。
缶の表示を読むときは、「届出表示」「機能性関与成分」「1日あたりの摂取目安量」の3点をセットで見るのがコツです。成分名だけを見て選ぶと、どのくらい飲むことを前提にした表示なのかが抜け落ちます。表示の下部に小さく書かれた注意文まで含めて、はじめて1つの情報になります。
機能性表示食品は事業者の責任で科学的根拠を届け出る制度で、特定保健用食品と異なり消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。表示は「〜と報告されています」という形で書かれます。体調や治療に関わる判断は、必ず医師・薬剤師など専門家に相談してください。
歴代フレーバーを発売月で振り返る
2023年〜2024年:ロゼ辛口、サングリア、桃ロゼ
ブランドの動きは、期間限定品の並びを見るといちばんよく分かります。2023年12月19日には〈ロゼ辛口〉が登場しました。チェリーのような香りとすっきりした味わいという設計で、年末年始の食卓に向けた投入です。同じタイミングで定番の赤・白もリニューアルされており、この時期がブランドとして最も厚みのあった局面でした。
2024年4月16日には〈サングリア オレンジ&カシス〉。赤ワインのような味わいにオレンジとカシスの果汁を合わせた、サングリア風の1本です。初夏に向けて果汁感を強めるのは、ワインテイストのノンアルでは定石の打ち手といえます。
2024年12月17日には〈桃香るロゼスパークリング〉が加わりました。ロゼスパークリングワインのような華やかさに桃のフルーティな香味とすっきりした後味を合わせた設計で、冬の贈答シーズンに映えるロゼを持ってきた形です。いずれも期間限定のため、いま新品で入手できる商品ではありません。
2025年:りんご、レモン——そして新商品は途切れた
2025年2月18日には〈りんごの贅沢スパークリング〉。りんごのフルーティな香りとシードルのような本格感が特徴で、ワインテイストの枠を少し広げた1本でした。続いて2025年4月30日に〈白 レモン一搾り〉が登場し、爽やかなレモンの香りとすっきりした飲み口で夏へつなぐ役割を担いました。
そして、確認できる範囲では、この〈白 レモン一搾り〉がブランド名を冠した最後の新商品リリースです。その約2か月半後にあたる2025年7月15日に、「のんある酒場」から赤・白のワインスパークリングが発売されています。公式に「引き継ぎ」と説明されたわけではありませんが、時系列で並べると流れは読み取れます。
期間限定品を追いかけるときのコツは、リリースの発売日を見ておくことです。2月・4月・7月・12月あたりに新フレーバーが集中する傾向があり、ノンアルの新商品は季節の頭に出ます。棚をチェックする月に当たりをつけておくと、見逃しが減ります。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ | △ | △ | ○ | ○ | ◎ |
◎=新商品・リニューアルの発表が集中した月 ○=動きがあった月 △=目立った動きなし(公式リリースの発売日を集計)
公式リリースの数字だけで並べた一覧表
ここまでに出てきた商品を、サントリーの公式リリースに記載された値だけで一覧にしました(日本酒の教科書調べ。味の主観評価は含めず、発売日・容量・アルコール分・価格の公表値のみを集計)。同じ「ワインテイストの0.00%缶」でも、位置づけがどう移ったかが一目で分かります。
| 商品 | 発売日 | 容量・度数 | 価格 | 現在の位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| ノンアルでワインの休日〈赤〉〈白〉 | 2022年3月1日 | 350ml/0.00% | オープン価格 | 大手通販で取り扱いなし |
| 同〈ロゼ辛口〉 | 2023年12月19日 | 350ml/0.00% | オープン価格 | 期間限定・販売終了 |
| 同〈桃香るロゼスパークリング〉 | 2024年12月17日 | 350ml/0.00% | オープン価格 | 期間限定・販売終了 |
| 同プラス+〈赤〉 | 2024年10月8日 | 350ml/0.00% | オープン価格 | 機能性表示食品として継続 |
| のんある酒場 赤・白ワインスパークリング | 2025年7月15日 | 350ml/0.00% | 141円(税別) | 定番4種として継続 |
ノンアルワインの中身を知る|脱アルコール製法と果汁飲料の分かれ道
アルコールを抜く方法は大きく3つある
「ワインエキス」という表現の裏側にあるのが脱アルコール製法です。代表的な方式は3つ。減圧蒸留法は、圧力を下げて低い温度で加温し、蒸発したアルコールを取り除きます。逆浸透膜法は、半透膜を使ってアルコールと水を分離し、あとから水だけを戻します。スピニングコーンカラム法は遠心力でアルコールと香り成分を分け、香り成分だけを液体に戻す方式です。
なぜ方式が分かれるかというと、アルコールと香り成分が似た温度で飛んでしまうからです。普通に加熱して煮詰めれば、アルコールと一緒に香りも失われます。減圧して沸点を下げる、膜でこし分ける、遠心力で分ける——どの方式も「香りをどれだけ残せるか」を競っているわけです。スピニングコーンカラム法は減圧蒸留より低温で処理できるため、香りの損失が少ないとされます。
飲み手として押さえておくと役立つのは、脱アルコールを経た飲料は「ワインからアルコールを引いたもの」であって、「ワイン風味のジュース」ではないという点です。渋みや酸の骨格が残っているぶん、単体で飲むと物足りなさより先に「思ったより辛口だ」と感じることがあります。甘い飲料を期待して開けると、印象が食い違います。
実は、果汁ベースのノンアルとは出発点からして別物
意外と知られていないのが、ノンアル棚に並ぶワイン風の飲料が2系統に分かれていることです。片方はいま説明した脱アルコール型、もう片方はぶどう果汁に炭酸や香料を合わせた果汁型。後者は醸造も脱アルコールも経ていません。値段が近く、缶のデザインも似ているため、棚では見分けがつきにくいのが実情です。
見分ける方法は原材料表示です。「ワインエキス(ノンアルコール)」「脱アルコールワイン」といった表記があれば脱アルコール型、果汁と香料だけで組まれていれば果汁型と判断できます。「ノンアルでワインの休日」も「のんある酒場」のワインスパークリングも前者にあたります。
どちらが良いという話ではなく、用途が違います。食事と合わせて渋みや酸を効かせたいなら脱アルコール型、子どもも一緒の食卓で甘い飲み物として出すなら果汁型。目的が決まっていれば、棚の前で迷う時間はぐっと短くなります。

お店で「お酒が飲めない人には何を出そう」と考えたとき、ノンアルコールの日本酒とオレンジジュース、どちらを選んでも同じだろうと思っていませんか。あるいはスーパーの…
「0.00%」と「1%未満」を混同しない
表示の読み分けも押さえておきましょう。酒税法上、酒類はアルコール分1度以上の飲料と定められているため、1度未満であれば「ノンアルコール」を名乗れます。つまり0.5%の飲料も酒類ではありません。一方、この記事で扱っている缶はいずれもアルコール分0.00%と明記されています。
この差が効く場面は限られますが、確実にあります。運転する日、アルコールを避けたい事情がある日は、0.00%と明記された商品を選ぶのが安全側の判断です。逆に「微アル」と呼ばれる商品はあえて低い度数を残しており、口当たりの厚みはそちらが上になることもあります。
缶の表示は、正面のブランド名ではなく側面か背面の成分表示欄を見るのが確実です。「アルコール分0.00%」と数字で書かれているか、それとも「ノンアルコール」とだけ書かれているか。この1行を確認する習慣が、いちばん確実な自衛策になります。
日本酒好きが「ワインの休日」の枠を埋める飲み方
冷やす温度は5〜8℃、器は小さめのグラスで
結論から言えば、ノンアルのワインテイストは日本酒の冷酒より少し低めに冷やすとまとまります。目安は5〜8℃、家庭用冷蔵庫の冷蔵室に半日置いた状態です。理由は甘さの感じ方にあります。アルコールがない飲料は、温度が上がると糖の甘さが素直に立ち上がり、後味が重く感じられます。低めの温度で飲むと、甘さが抑えられて酸と炭酸が前に出ます。
器は、大きなワイングラスよりも小さめのグラスが合います。ワイングラスは香りを溜めるための形ですが、炭酸を含む飲料を大きな面積で注ぐと泡が早く抜けます。日本酒でいう冷酒グラスくらいのサイズに、少量ずつ注ぎ足すほうが、最後の一口まで泡が残ります。
注意点として、氷を入れるのは相性が悪めです。もともとアルコールで濃度が支えられていないぶん、溶けた水で味の芯が薄れます。どうしても薄めたいときは、氷ではなく無糖の炭酸水を少量足すほうが、香りを残したまま軽くできます。
失敗パターン②:先に全部注いで、炭酸を飛ばしてしまう
やりがちなのが、缶を開けてすぐグラスに全量を注ぎ、食事の間かけて飲むやり方です。350mlをいっぺんに注ぐと、食べ終わるころには泡が抜けて、甘みだけが残った液体になります。ノンアルは香味の組み立てを炭酸に頼っている部分が大きいため、泡が抜けた瞬間に印象が変わります。
原因は、ワインと同じ扱いをしてしまうことにあります。ワインは開けてから時間が経つほど香りが開く場面がありますが、ノンアルのスパークリングは時間が味方をしません。対策は、缶を冷蔵庫から出したらグラスには3分の1ずつ注ぎ、缶のほうは冷たいまま手元に置いておくこと。日本酒の一合徳利を、少しずつお猪口に注いで飲むのと同じ発想です。
もう一つ、缶を横に寝かせて冷やすのも避けたほうがいい扱いです。炭酸飲料は振動で泡が抜けやすくなります。冷蔵庫の扉ポケットは開閉のたびに揺れるので、庫内の奥に立てて置くほうが、開けたときの泡立ちが穏やかで注ぎやすくなります。
おつまみは「出汁と塩」から入ると和食に馴染む
日本酒に慣れた舌でノンアルのワインテイストを合わせるなら、まず出汁と塩の料理から入るのがおすすめです。白ワインタイプなら、鶏の塩焼き、出汁の効いた茶碗蒸し、白身魚の刺身に塩とすだち。赤ワインタイプなら、牛すじの煮込み、鴨のロースト、醤油だれの焼き鳥といった、旨味と甘辛さのある料理が噛み合います。
理由は酸の性格にあります。日本酒の酸は米由来で丸く、料理の輪郭をぼかす方向に働きます。対してワインテイストの酸は輪郭がはっきりしていて、脂を切る方向に働きます。だから同じ和食でも、日本酒なら煮物、ワインテイストなら焼き物や揚げ物のほうが相性が出やすくなります。
合わせにくいのは、香りの強い発酵食品です。塩辛やくさやのような酒肴は、ノンアルの酸とぶつかって金属的な後味が出ることがあります。この領域はやはり日本酒の独壇場なので、無理に置き換えず使い分けるほうが、どちらも活きます。

「今日は飲まないけれど、食卓に日本酒の雰囲気だけは欲しい」。そんなときに手が伸びるのがノンアルコール日本酒です。ところが実際に売り場へ行ってみると、瓶入りのもの…
シーン別に、日本酒とノンアルの持ち場を決めておく
使い分けの基準を先に決めておくと、棚の前でも食卓でも迷いません。車で出かける日や翌朝が早い日は、0.00%と明記された缶。来客があって全員が飲むわけではない日は、白ワインスパークリングを人数分用意しておくと、食前の1杯として全員に配れます。日本酒をメインに据える日は、乾杯の1杯だけノンアルにして、本編は燗酒や冷酒に譲るという組み立ても機能します。
贈り物として考えるなら、350ml缶は数をまとめやすいのが利点です。ワインボトルは相手の栓抜きや保存の都合を考える必要がありますが、缶なら冷やしてそのまま出せます。飲む人・飲まない人が混ざる集まりでも、同じ形の缶が並ぶと場の雰囲気が揃います。
そして、日本酒党にとって覚えておきたいのは、ノンアルを「代用品」と位置づけないほうが長続きするということです。日本酒には日本酒の温度帯と器があるように、ノンアルのスパークリングには低めの温度と小さいグラスという固有の作法があります。別のジャンルとして扱ったほうが、どちらの席も充実します。
まとめ
次の一歩としては、行きつけの店でノンアル缶の棚に立ち、缶の裏の原材料表示に「ワインエキス(ノンアルコール)」の一行があるかどうかだけを確認してみてください。名前が変わっても、この一行がある缶なら「ワインの休日」で気に入っていた中身の骨格は残っています。まずは白から試し、食事に合わせて赤へ広げていくと、自分の好みの位置が見えてきます。
※価格・ラインナップ・販売状況は変動します。最新情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。

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