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「山間」という日本酒の名前を見て、なんと読むのか一瞬迷った方は多いのではないでしょうか。答えは「やんま」。新潟県上越市の新潟第一酒造が造る、特約店でしか手に入らない人気銘柄です。名前だけ知っていても、どんな味で、なぜ手に入りにくいのか、どう選べばいいのかまでは意外と語られていません。
結論から言うと、山間は搾りの一番おいしい部分だけをそのまま瓶に詰めた、フレッシュで甘みのある無濾過原酒系のお酒です。仕込みタンクごとに号数を振って少量ずつ出荷されるため、同じ「山間」でも中身が少しずつ違うのが最大の面白さ。この記事では、読み方や名前の由来から、中採り・直詰めという製法、仕込号数の選び方、入手のコツ、そしておいしく飲むための温度と保存まで、山間のすべてを酒屋の店先で相談するような感覚で整理していきます。
数値は新潟第一酒造の公表値や正規特約店の情報をもとにしています。読み終えるころには、次に山間を1本選ぶときの基準がはっきりしているはずです。
・山間(やんま)の読み方・造り手・名前の由来
・中採り・直詰めが生むフレッシュな味わいの理由
・仕込号数で変わるラインナップの選び方
・特約店限定という入手の壁と、失敗しない探し方
・山間をおいしく飲む温度帯と保存のコツ
山間(やんま)とはどんな日本酒?まず知りたい基本

読み方は「やんま」、造り手は新潟第一酒造
山間は「やんま」と読みます。「さんかん」でも「やまあい」でもなく、トンボの一種を思わせる少し愛嬌のある響きです。造っているのは新潟県上越市浦川原区にある新潟第一酒造。豪雪地帯として知られる山あいの蔵で、代表銘柄の「越の白鳥」や「越の露」と並ぶ看板シリーズが、この山間です。
なぜ蔵の名前より銘柄名が先に知られているかというと、山間は2007年(平成19年)に特約店限定として登場した、比較的新しいブランドだから。試験醸造から生まれた酒が評判を呼び、今では新潟の隠れた人気銘柄として全国の地酒ファンに追いかけられる存在になりました。実際に店頭で探すときは、蔵元名の「新潟第一酒造」で聞くと話が通じやすい場面もあります。名前は少し変わっていますが、覚えてしまえば忘れない一本です。
| 酒蔵・産地 | 新潟第一酒造(新潟県上越市) |
| 特定名称 | 純米吟醸(山間 仕込1号) |
| 精米歩合 | 60% |
| アルコール度数 | 17度 |
| 内容量・価格 | 720ml/2,035円(税込・仕込1号 純米吟醸) |
| おすすめの飲み方 | よく冷やして、開栓直後の微発泡感を楽しむ |
特約店限定という位置づけの意味
山間はスーパーやコンビニ、量販店には並びません。新潟第一酒造と契約した特約店だけが扱える「特約店限定銘柄」だからです。特約店とは、蔵元が品質管理や保管温度を信頼して卸す、いわば公認の取扱店。生原酒が多い山間にとって、冷蔵でしっかり管理してくれる店を通す仕組みは理にかなっています。
この位置づけは、裏を返せば「どこでも買えるわけではない」という不便さでもあります。近所の酒屋に置いていなくても不良品でも終売でもなく、単にその店が特約店ではないだけ、というケースがほとんど。まずは山間を扱う正規特約店を探すのが、遠回りに見えて一番の近道です。無濾過原酒の魅力を最大限に味わうなら、原酒そのものの特徴を知っておくと選びやすくなります。

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味わいの傾向はフレッシュで甘み、微発泡
山間の味わいをひと言でいえば「みずみずしい果実のような香りと、はっきりした甘み、そして舌先でピリッと感じる微発泡感」です。無濾過で原酒に近い造りのため、味の輪郭がくっきりしていて、飲んだ瞬間に旨みが押し寄せてきます。淡麗辛口のイメージが強い新潟の酒のなかでは、むしろ濃醇でジューシーな個性派といえるでしょう。
この甘みと発泡感が生まれるのは、後述する中採り・直詰めという製法で、瓶詰めの段階までフレッシュさを閉じ込めているから。口に含むと米由来の甘みがふわっと広がり、後半はガス感が全体を引き締めて後味を軽くしてくれます。甘口が苦手な人でも「重ったるくない甘さ」として楽しめる設計です。ただし号数(仕込みタンク)ごとに味の表情が変わるので、「前に飲んだ山間と違う」と感じても不思議ではありません。
「やんま」と読む名前には、どんな由来があるのか
山あいに囲まれた蔵の立地が名前の起点
山間という名前は、蔵が山あいに囲まれた立地にあることに由来します。新潟第一酒造がある上越市浦川原区は、周囲を山に抱かれた豪雪地帯。この「山と山の間」という土地の姿を、そのまま銘柄名にしたわけです。当時業務に携わっていた武田良則氏が発案したと伝えられています。
地酒には産地の風景や地名を冠したものが多くありますが、山間もその系譜にある一本です。派手な当て字や縁起物の言葉ではなく、蔵のある場所そのものを名前にしているぶん、飲むときに雪深い新潟の里山を思い浮かべやすい。ラベルを眺めながら「この一杯は山あいの蔵から来たんだな」と想像すると、味わいにも奥行きが出ます。名前の背景を知っているかどうかで、同じお酒でも楽しみ方が少し変わってきます。
試験醸造から生まれたブランドという背景
山間は、最初から主力商品として計画された銘柄ではありません。蔵の中で試験的に仕込んだ酒が思いのほか評判を呼び、2007年に特約店限定として世に出た、いわば現場発のブランドです。だからこそ、既存の型にはまらない自由な造りができたともいえます。
試験醸造由来という出自は、味づくりの姿勢にも表れています。号数ごとに使う米や造りを少しずつ変え、そのつどの出来をそのまま瓶に詰める。マスプロダクト的に味を均一化するのではなく、「そのタンクの一番いい状態」を届けることを優先しているのです。これは大量生産では難しい、小回りの利く蔵ならではの発想。山間を追いかける楽しさの根っこには、この「毎回ちょっと違う」という試験醸造精神が息づいています。一次情報は蔵元の公式サイトでも確認できます。
越の白鳥・越の露との違いを整理する
新潟第一酒造には、山間のほかに「越の白鳥」「越の露」という銘柄があります。ざっくり言えば、越の白鳥は蔵の顔となる定番ブランド、越の露は昔ながらの銘柄、そして山間は特約店限定の少量生産ライン、という住み分けです。同じ蔵でも狙いが違うため、味の方向性も分かれます。
越の白鳥が幅広い層に向けた安定した造りだとすれば、山間はよりマニアックで、フレッシュさや号数ごとの個性を前面に出したチャレンジングな存在。初めて新潟第一酒造の酒に触れるなら越の白鳥、味の変化や限定感を楽しみたいなら山間、と考えると選びやすくなります。どちらが上ということではなく、飲むシーンと気分で使い分けるのが賢い付き合い方です。3銘柄を並べて飲み比べると、同じ蔵の水と技術が違う表情を見せてくれて面白いですよ。
中採り・直詰めという製法が、味わいを決めている

「中採り」とは搾りの一番おいしい部分
山間を語るうえで外せないのが「中採り(なかどり)」という言葉です。もろみを搾ってお酒を取り出すとき、最初に出てくる「あらばしり」、真ん中の「中採り」、最後の「責め」と、時間帯によって味が変わります。このうち中採りは、香り・味・バランスがもっとも整った、いわば真ん中のおいしいところ。山間はこの中採り部分だけを瓶に詰めています。
なぜ中採りだけを使うかというと、雑味が少なく、香りと旨みが最も豊かに乗る部分だからです。搾り全体を混ぜれば量は取れますが、味の頂点は少しぼやけます。あえて一番おいしい帯だけを抜き出す贅沢な造りが、山間のクリアで華やかな味わいを支えているのです。ラベルに「中採り」と書かれていたら、それは造り手の自信の表れだと受け取ってよいでしょう。
中採り=搾りの真ん中、味と香りが最も整った部分。直詰め=その中採りを割水や濾過をせず、ほぼそのまま瓶へ。この2つが重なることで、フレッシュな香り・はっきりした甘み・微発泡感という山間らしさが生まれます。
「直詰め(直汲み)」がフレッシュさを閉じ込める
もう一つのキーワードが「直詰め」、別名「直汲み(じかぐみ)」です。これは搾ったお酒をタンクに一度ためず、搾り機から出てきたものを直接瓶に詰める手法。空気に触れる時間を減らし、酸化やガス抜けを最小限に抑えることで、しぼりたての鮮度をそのまま封じ込めます。
直詰めのお酒を開けると、栓を抜いた瞬間に「プシュッ」と軽いガス感が立ち上ることがあります。これは発酵で生まれた炭酸が抜けきらずに残っている証拠で、山間の微発泡感の正体でもあります。理由は単純で、余計な工程を挟まないぶんフレッシュな要素が生き残るから。だからこそ、買ったら早めに、しっかり冷やして飲むのが鉄則です。開栓時に吹きこぼれることもあるので、最初はゆっくり栓を開けてくださいね。
無濾過・生原酒が多い理由と注意点
山間には「無濾過生原酒」や「無濾過原酒」といった表記の商品が多く見られます。無濾過は活性炭で濾過しない造り、原酒は加水しない造り、生は火入れ(加熱殺菌)をしない造り。これらが重なると、味は濃く、香りは華やかに、そしてアルコール度数はやや高めになります。仕込1号・仕込14号ともにアルコール度数は17度前後です。
こうした造りは味の魅力が大きい反面、温度変化に弱いという弱点もあります。とくに生原酒は常温に置くと味が急に変わりやすいため、要冷蔵が基本。生酒がなぜ冷蔵管理を必要とするのか、その仕組みを知っておくと山間の扱い方に納得がいきます。旨みが濃いぶん、雑に扱うと本来のポテンシャルを引き出せないお酒だと覚えておきましょう。

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仕込号数で変わるラインナップの選び方
「仕込1号」「仕込14号」という番号の意味
山間のラベルには「仕込1号」「仕込4号」「仕込14号」といった番号が振られています。これは仕込みに使ったタンクの通し番号のこと。同じ醸造期の中で仕込んだタンクごとに号数を付け、それぞれを別の商品として出荷しているのです。つまり号数が違えば、使った米や酵母、造りの狙いが少しずつ異なります。
なぜこんな手間をかけるかというと、タンクごとの個性をそのまま楽しんでほしいという蔵の思いがあるから。ワインでいう区画違いのような感覚で、「今年の◯号はこういう味」と一本ずつ表情が変わります。見分け方は簡単で、ラベルの号数と特定名称(純米吟醸・特別純米など)をセットで確認すること。同じ号数を続けて買うより、違う号数を飲み比べるほうが山間の面白さを味わえます。ただし数量限定なので、気に入った号数に再会できるとは限らないのが悩ましいところです。
| 比較項目 | 山間 仕込1号 純米吟醸 | 山間 仕込14号 特別純米 |
|---|---|---|
| 特定名称 | 純米吟醸 | 特別純米 |
| 精米歩合 | 60% | 60% |
| アルコール度数 | 17度 | 17度 |
| 使用米 | 五百万石・こいしぶき | 五百万石・こいしぶき |
| 720ml価格(税込) | 2,035円 | 1,760円 |
※新潟第一酒造の公表値および正規特約店の表示をもとに日本酒の教科書が整理。号数・醸造期により内容や価格は変わります。
純米吟醸・特別純米、特定名称ごとの傾向
山間には純米吟醸、特別純米、純米大吟醸など複数の特定名称があります。上の比較表のとおり、仕込1号は純米吟醸で精米歩合60%、仕込14号は特別純米で同じく精米歩合60%と、使用米も五百万石・こいしぶきで共通。号数が違っても土台の設計は近く、そのうえで搾りのタイミングや発酵の乗り具合が個性を生みます。
一般論として、純米吟醸は香り高くすっきり、特別純米は米の旨みがふくよか、という傾向があります。山間もその枠は踏まえつつ、どれもフレッシュで甘みのある共通の骨格を持っているのが特徴です。初めての1本なら、流通量が比較的多い純米吟醸か特別純米から入るのが無難。純米大吟醸は精米歩合をより高めた華やかなタイプですが、数量が少なく出会えたら幸運、というくらいの立ち位置です。
生原酒か、火入れかで選ぶ飲みごろ
もう一つの選ぶ軸が、生原酒か火入れかです。山間は無濾過生原酒の割合が高いですが、時期によっては一度火入れした落ち着いたタイプも出ます。生はフレッシュで発泡感が強く、火入れは味が丸くまとまって落ち着いた印象。どちらが良いというより、飲むタイミングと好みで選ぶものです。
買ってすぐ、キリッと冷やしてしぼりたての鮮度を楽しみたいなら生原酒。少し落ち着かせて食事とゆっくり合わせたいなら火入れタイプ、という選び分けができます。見分け方はラベルの「生」「火入れ」表記を確認すること。生の場合は要冷蔵で早めに飲むのが前提になるため、すぐ飲み切れる四合瓶(720ml)から試すのが失敗の少ない選択です。飲みきれる量から始めるのが、限定酒と上手に付き合うコツになります。
どこで買える?特約店限定という壁の越え方
正規特約店を探すのが確実な入手ルート
山間を確実に手に入れるなら、正規特約店を探すのが最短ルートです。特約店とは新潟第一酒造が品質管理を信頼して卸している酒販店で、全国に点在しています。生原酒を適切な温度で保管してくれるため、蔵が意図した状態のお酒に出会えるのも特約店で買う大きなメリットです。
探し方としては、蔵元の公式サイトや取扱店の情報を手がかりに、まずは近隣の地酒専門店をあたるのが基本。実店舗が見つかれば、入荷のタイミングや号数の相談もできて心強いです。オンラインでも正規特約店が通販を行っている場合があり、生原酒はクール便で送ってくれる店を選ぶと安心。逆に、極端に定価とかけ離れた高値で転売されているものは、保管状態が読めないため避けるのが無難です。
山間は特約店限定のため、スーパー・コンビニ・大型量販店には基本的に並びません。「近所の店になかった=終売・品切れ」ではなく、そもそも扱いのある店が限られているだけです。時間を無駄にしないためにも、最初から地酒専門店・正規特約店に的を絞って探しましょう。
数量限定・号数入れ替わりという特性を理解する
山間は仕込みタンク単位の少量生産で、号数が売り切れると次の号数に切り替わっていきます。だから「先週あった仕込◯号が今日はもうない」ということが普通に起こります。これは人気ゆえの品薄というより、そもそも各号数の本数が限られている構造的な特性です。
この特性を理解しておくと、買い逃しても落ち込まずに済みます。気に入った号数に出会えたら、その場で確保するのが正解。次の入荷まで待つより、目の前の一本を選ぶほうが結果的に満足度が高くなります。特約店によっては入荷連絡をしてくれる場合もあるので、常連になっておくと情報が回ってきやすいです。限定酒との付き合いは「一期一会」と割り切るのが、心穏やかに楽しむコツですよ。
価格の目安と、贈り物にするときの考え方
山間の四合瓶(720ml)は、仕込1号 純米吟醸で2,035円(税込)、仕込14号 特別純米で1,760円(税込)と、限定酒としては手に取りやすい価格帯です。無濾過生原酒でこの価格なら、コストパフォーマンスの面でも納得感があります。号数や特定名称によって価格は前後します。
贈り物にする場合は、相手が要冷蔵で早めに飲める環境かどうかを一度考えてみてください。生原酒は届いてから常温で放置されると味が変わりやすいので、日本酒に慣れた相手や、すぐ飲んでくれる相手に向いています。もし保存環境が読めない相手なら、火入れタイプを選ぶと安心。ラベルの号数がそのまま話題になるので、「これは仕込◯号なんだよ」と一言添えると、贈り物としての物語性がぐっと増します。
山間をおいしく飲むための温度と保存の正解
まずはよく冷やして、開栓直後の微発泡を楽しむ
山間の魅力を最大限に引き出す飲み方は、しっかり冷やすことです。冷蔵庫でよく冷やした5〜10℃くらいの状態で飲むと、フレッシュな香りと微発泡感がいちばん際立ちます。無濾過生原酒のジューシーな甘みも、冷えていると重たくならず軽やかに感じられます。
グラスは香りを閉じ込めやすい小ぶりのワイングラスや、口のすぼまったぐい呑みがおすすめ。開栓直後はガス感がフレッシュなので、まずはそのまま一口。時間が経つとガスは少しずつ抜け、今度は甘みや旨みがふくらんできて、一本で二度おいしい変化を楽しめます。冷やしすぎると味が閉じることもあるので、キンキンに凍らせる手前、冷蔵庫から出して少し置くくらいが飲みごろの目安です。
常温放置は厳禁、生原酒の保存の基本
山間、とくに生原酒タイプで最も気をつけたいのが保存です。生原酒は火入れをしていないため、常温に置くと酵素や微生物の働きで味が短期間で変化してしまいます。買ったら即冷蔵庫、これが鉄則。開栓後も冷蔵で保管し、数日〜1週間程度で飲み切るのが理想です。
「日本酒だから常温で大丈夫」と思い込み、生原酒を常温で数日置いてしまうと、フレッシュな香りが失われ、味が老ねた(ひねた)印象に傾くことがあります。生の山間は要冷蔵。持ち帰ったらすぐ冷蔵庫へ入れ、立てて保管するのが基本です。開栓後は栓をしっかり閉め、早めに飲み切りましょう。
ぬる燗という選択肢はアリか
「山間は燗にできる?」という質問もよく受けます。基本は冷やして飲むお酒ですが、火入れタイプであれば40℃前後のぬる燗にして、旨みのふくらみを楽しむ余地もあります。米の甘みが温度でほどけ、冷やとは違う一面が見えてきます。
ただし生原酒や微発泡感を売りにしたタイプを燗にすると、せっかくのフレッシュさやガス感が飛んでしまうため、あまりおすすめしません。燗を試すなら、まずは冷やで味を確かめてから、残りを少量だけ温めて比べてみるのが安全です。日本酒は5℃刻みで表情が変わる飲み物。山間のように個性の強いお酒ほど、いきなり高温にせず、ぬる燗から様子を見るのが失敗しないコツです。温度の話をもっと知りたい方は、甘辛の指標である日本酒度の見方もあわせて押さえておくと、味の予想がつきやすくなります。

「日本酒度+5」と書かれたラベルを手に取って、これは辛口なのか甘口なのか、なんとなく迷ったことはありませんか。数字の意味がつかめると、まだ飲んだことのない一本で…
山間が好きなら知っておきたい選び分けの視点
実は「号数が新しい=おいしい」とは限らない
意外と知られていませんが、山間は号数が新しいほどおいしい、というわけではありません。号数はあくまで仕込みタンクの通し番号で、品質の序列ではないからです。若い番号には若い番号の、後半の号数には後半の良さがあり、その年の米や気候によって出来の当たり外れは号数と関係なく生まれます。
だからこそ、「最新号だから間違いない」と決めつけず、特定名称や生・火入れの違い、そして自分の好みで選ぶのが正解です。むしろ、少し前の号数が値ごろで残っていたら狙い目になることもあります。号数を追いかけるコレクター的な楽しみ方も面白いですが、味の本質は番号ではなく造りにある——この視点を持っておくと、山間選びで振り回されずに済みます。
シーン別・飲み手タイプ別の選び方
山間はシーンや飲み手のタイプで選び分けると失敗しません。日本酒初心者なら、甘みとフレッシュ感がわかりやすい純米吟醸の生原酒から。華やかで飲みやすく、山間らしさを一番つかみやすいタイプです。刺身や白身魚など、繊細な料理と合わせると持ち味が生きます。
中級者や味の変化を楽しみたい人は、複数の号数を買って飲み比べるのがおすすめ。同じ精米歩合60%でも号数で表情が変わる面白さを実感できます。食事とじっくり向き合いたい人や贈り物には、落ち着いた火入れタイプを。このように「誰と・どこで・何と飲むか」を先に決めてから号数と特定名称を選ぶと、山間の豊富なラインナップに迷わず向き合えます。
・初心者:純米吟醸の生原酒を冷やして
・飲み比べたい人:異なる仕込号数を2〜3本
・食事とゆっくり:火入れタイプをぬる燗も視野に
・贈り物:要冷蔵に対応できる相手へ、号数の物語を添えて
新潟の淡麗辛口イメージとのギャップを楽しむ
新潟の日本酒といえば「淡麗辛口」を思い浮かべる方が多いはずです。ところが山間は、その定番イメージとは少し違う、甘みと旨みがしっかりある濃醇タイプ。ここに山間の面白さがあります。同じ新潟でも、蔵と造りによってここまで方向性が変わるのだと実感できる一本なのです。
この「新潟=すっきり辛口」という先入観をいい意味で裏切ってくれるのが、山間の魅力の一つ。淡麗辛口を飲み慣れた人が山間を口にすると、「新潟でこんなにジューシーな酒があるのか」と驚くことも少なくありません。逆に、辛口の日本酒が少し物足りなく感じていた人にとっては、ちょうど良い甘みと厚みが心地よくハマるはず。地域のイメージにとらわれず、一本一本の造りで味を判断する——その視点を持つと、日本酒の世界がぐっと広がります。
まとめ:山間(やんま)を1本選ぶための要点
山間は、名前の読み方からつまずきがちですが、中身を知れば知るほど惹き込まれる一本です。搾りの一番おいしい中採りを直詰めし、仕込号数ごとに違う表情を見せてくれる——この「毎回ちょっと違う」という楽しさこそが、多くの地酒ファンを夢中にさせる理由です。まずは近くの地酒専門店や正規特約店で、山間の純米吟醸を一本探すところから始めてみてください。よく冷やして栓を抜いた瞬間の、あの微発泡のフレッシュ感が、きっと次の一本を探したくなるきっかけになります。
※価格・ラインナップ・在庫状況は変動します。最新情報は新潟第一酒造の公式サイトや正規特約店でご確認ください。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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