「黒龍のしずくって、名前は聞くけれど普通の日本酒と何が違うの?」——そんな疑問を持って、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。福井県の黒龍酒造がつくる「しずく」は、日本酒好きの間で長く語り継がれてきた特別な大吟醸です。ただ、希少ゆえに情報が断片的で、スペックや飲み方、入手方法までまとまった形で知る機会は意外と少ないものです。
先に結論をお伝えすると、黒龍しずくは酒袋から自然に滴り落ちる一滴だけを瓶詰めした、精米歩合35%の大吟醸です。年2回・数量限定でしか出回らず、兵庫県東条産の山田錦を磨き上げ、圧力をかけずに搾ることで雑味のないクリアな味わいに仕上げています。値段が張るのも、この手間を知れば納得がいくはずです。
この記事では、しずくがどんな日本酒なのかという基本から、名前の由来になった製法、精米歩合や日本酒度といったスペックの読み解き方、5〜10℃が基本の飲み方、そして年2回の販売時期と入手のコツまで、順を追って整理します。読み終える頃には、はじめての一本を選ぶときにも、贈り物に迷ったときにも、自分で判断できるようになっているはずです。
・黒龍しずくがどんな日本酒で、なぜ希少なのか
・「しずく」という名前になった袋吊りの製法
・精米歩合35%・度数16度・日本酒度+4というスペックの意味
・冷やして楽しむ基本の飲み方と、やりがちな失敗
・年2回(6月・10月)の販売時期と、定価で買うコツ
黒龍しずくとはどんな日本酒?まず知りたい3つの魅力

黒龍しずくは、福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造が手がける大吟醸酒です。数ある黒龍のラインナップの中でも象徴的な存在で、日本酒に詳しい人ほど「一度は飲んでみたい」と口をそろえる一本。まずは、この酒がなぜ特別なのか、その理由を3つの角度から見ていきましょう。
黒龍しずくは、もろみを詰めた酒袋を吊るし、自然に滴る酒だけを集めた「袋吊り」の大吟醸。精米歩合35%の山田錦を使い、6月と10月の年2回だけ数量限定で出荷される希少な一本です。
酒袋から滴る一滴だけを瓶詰めした大吟醸
しずく最大の特徴は、その搾り方にあります。一般的な日本酒は、発酵を終えたもろみを機械や槽(ふね)で圧力をかけて搾りますが、しずくは酒袋にもろみを詰めて吊るし、重力だけで自然に滴り落ちてくる酒を集めます。圧力をかけないため、米や麹由来の雑味が出にくく、澄んだ味わいになるのです。
使う米は兵庫県東条産の山田錦。酒米の王様と呼ばれる品種で、その中でも良質とされる産地のものを35%まで磨いています。つまり米粒の外側を65%も削り、中心の心白に近い部分だけで仕込んでいるということ。手間もコストもかかる贅沢な造りが、しずくを象徴的な一本にしています。見分け方としては、ラベルに「しずく」「大吟醸」と記され、越前和紙が使われている点が目印です。豆知識として、こうした袋吊りの酒は「雫酒(しずくざけ)」「斗瓶取り」などと呼ばれ、多くの蔵で最上級クラスに位置づけられています。
九頭龍から石田屋まで、黒龍ブランドでの立ち位置
黒龍酒造には「九頭龍」「黒龍」「しずく」「石田屋・二左衛門」といった複数のブランド・銘柄があり、しずくはその中でも上位に位置します。結論から言えば、しずくは普段使いの一本ではなく、特別な日のための大吟醸という立ち位置です。
理由は価格と流通量にあります。九頭龍や黒龍の標準的なラインは比較的手に入りやすく、日常の食中酒として親しまれていますが、しずくは造れる量が限られ、価格も上がります。具体例で言えば、家飲みの晩酌には黒龍の吟醸クラス、記念日や贈り物にはしずく、といった使い分けをする愛好家が多いです。注意点として、同じ「黒龍」でもグレードによって味の設計がまったく異なるため、名前だけで判断せず、特定名称と精米歩合を確認して選ぶのが失敗しないコツです。日本酒の種類やランクの違いを整理したい方は、下の記事もあわせて読んでみてください。

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年2回・数量限定という希少性
しずくが「幻の酒」と語られるのは、出荷が年2回に絞られているからです。黒龍しずくの販売時期は6月と10月の年2回、数量限定。この時期を逃すと、次の入荷まで数か月待つことになります。
なぜ通年で造らないのか。理由は、袋吊りで搾れる量がそもそも少なく、丁寧な造りには時間がかかるためです。大量生産と相性が悪い製法だからこそ、季節を区切って限られた本数だけを世に出しています。具体例として、正規の特約店でも入荷は数量が決まっており、予約や抽選になることも珍しくありません。注意点は、この希少性を背景にした転売・高値販売が出回りやすいこと。慌てて相場を大きく超える価格で買う前に、まずは正規ルートの入荷時期を押さえておくのが賢明です。入手のコツは記事後半で詳しくお伝えします。
「しずく」の名前の由来は、この製法にあり
そもそも、なぜ「しずく」という名前なのでしょうか。答えはシンプルで、酒が一滴ずつ「しずく」となって落ちてくる搾り方に由来します。ここでは、その袋吊りという製法と、越前和紙ラベルに込められた意味を掘り下げます。名前の背景を知ると、この酒の味わいがぐっと立体的に感じられるはずです。
圧力をかけない「袋吊り雫取り」とは
袋吊り雫取りとは、もろみを酒袋に入れて吊るし、にじみ出てくる酒だけを無圧で集める搾り方のことです。「無圧しぼり」「斗瓶囲い」などと呼ばれることもあります。
なぜこの方法をとるのか。もろみに圧力をかけると、酒だけでなく米や麹の固形分から出る成分も一緒に絞り出され、それが雑味や重さの原因になります。圧をかけずに落ちてくる部分は、いわば酒の「一番きれいなところ」。具体例として、鑑評会に出す出品酒の多くがこの袋吊りで搾られており、審査で評価されやすい澄んだ酒質を狙うための定番手法です。注意点は、集められる量がごくわずかで作業に手間がかかること。だからこそ限定品になり、価格も上がるという構図が生まれます。
なぜ雑味が出ず、澄んだ味わいになるのか
しずくを口に含むと、ライチや洋梨を思わせる爽やかな香りが立ち、後味はすっと消えていきます。この透明感のある味わいは、原料と製法の合わせ技によるものです。
まず精米歩合35%まで磨くことで、雑味の元になる米の外側のたんぱく質や脂質を大きく削っています。そのうえで袋吊りにより圧力由来の雑味も避けているため、クリアさが二重に確保されるわけです。仕込み水には、白山の雪どけ水がろ過されて生まれる九頭竜川の伏流水を使っており、やわらかな水質が繊細な吟醸酒づくりに向いています。見分け方の目安として、グラスに注いだときの色はほぼ無色透明に近く、香りが穏やかに広がるのが上質な大吟醸の特徴です。豆知識ですが、精米歩合の数字が小さいほど米を多く削っている証拠。数字の意味を詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

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越前和紙のラベルに込められた意味
しずくのもう一つの目印が、ラベルです。黒龍しずくは伝統工芸品の規格をクリアした越前和紙を用いた酒ラベルを採用しています。中身だけでなく、まとう衣装にも福井の伝統を映しているのが特徴です。
なぜ和紙にこだわるのか。福井県は越前和紙という1500年近い歴史を持つ紙の産地であり、地元の伝統文化と酒づくりを結びつける意味合いがあります。具体例として、贈り物として手に取ったときに、和紙特有の風合いが特別感を演出してくれる点は、ギフト用途で選ばれる理由の一つです。注意点として、ラベルは湿気に弱いため、保管や持ち運びの際は濡らさないよう気をつけたいところ。細部まで手をかけた一本だからこそ、扱いも少していねいにしてあげると気持ちよく楽しめます。
精米歩合35%・度数16度|数字で読み解く味の設計

ここからは、しずくを数字で見ていきましょう。日本酒はスペックを読めると、飲む前にある程度の味わいの見当がつきます。しずくの精米歩合・アルコール度数・日本酒度を一つずつ確認し、それがどんな味につながるのかを解説します。
| 酒蔵・産地 | 黒龍酒造(福井県永平寺町) |
| 特定名称 | 大吟醸酒 |
| 精米歩合 | 35% |
| アルコール度数 | 16度 |
| 使用米・日本酒度 | 兵庫県東条産 山田錦/日本酒度+4 |
| おすすめの飲み方 | 5〜10℃に冷やして、小さめのグラスで |
山田錦を35%まで磨くという贅沢
しずくの精米歩合は35%。これは米の外側を65%削り、中心部の35%だけを使っていることを意味します。大吟醸と名乗るには精米歩合50%以下という基準がありますが、しずくはそこからさらに大きく踏み込んでいます。
なぜここまで磨くのか。米の外側にはたんぱく質や脂質が多く、雑味や色の原因になります。中心の心白に近い部分ほどでんぷんが純粋で、澄んだ吟醸香を生みやすいのです。使用米は酒米の頂点とされる山田錦、それも兵庫県東条産の良質なもの。具体例として、精米歩合35%はコンビニやスーパーで手に取る普通酒(多くが70%前後)とは磨きの次元が違うことがわかります。注意点として、磨けば磨くほど良いというわけではなく、米の個性を削りすぎない設計も大切。しずくはその微妙なバランスの上に成り立っている一本です。
日本酒度+4はどんな味?甘辛の目安
しずくの日本酒度は+4。数値だけ見るとやや辛口寄りの設計です。ただし、日本酒度は甘辛のすべてを決める指標ではない点に注意が必要です。
日本酒度は糖分の量を示す目安で、プラスに大きいほど糖が少なく辛口、マイナスに大きいほど甘口に感じやすくなります。+4は中庸からわずかに辛口へ振れた位置ですが、しずくは酸味や香りのバランスがよく、数字ほどキリッと辛いという印象にはなりにくいのが実際のところ。具体例として、同じ+4でも酸度が高い酒はより辛く感じ、香りが華やかな酒は甘みを感じやすくなります。しずくは吟醸香が豊かなため、口当たりには米のふくよかさも残ります。豆知識として、日本酒度は温度でも印象が変わるため、冷やすとよりすっきり感じられます。日本酒度の読み方をもっと知りたい方はこちらへ。

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【日本酒の教科書調べ】黒龍しずくと大吟醸クラスのスペック比較
黒龍しずくのスペックが、日本酒全体の中でどのあたりに位置するのか。公式に公表されている値をもとに、大吟醸の一般的な目安や普通酒と並べて整理しました。
| 比較項目 | 黒龍 しずく | 大吟醸の一般的な目安 | 普通酒の一般的な目安 |
|---|---|---|---|
| 精米歩合 | 35% | 50%以下 | 70%前後 |
| アルコール度数 | 16度 | 15〜16度前後 | 15度前後 |
| 日本酒度 | +4 | 銘柄により幅がある | ±0前後が多い |
| 香りの傾向 | 華やかな吟醸香 | 華やか寄り | 穏やか |
※しずくの数値は黒龍酒造の公表スペックより。一般的な目安の列は特定名称酒の分類基準や一般的な傾向を示す参考値です。
こうして並べると、しずくが精米歩合の面で群を抜いていることが一目でわかります。数字の裏にある手間を知ると、価格にも納得がいくはずです。
黒龍しずくの美味しい飲み方は5〜10℃が基本
せっかくの一本、飲み方を間違えると持ち味を活かしきれません。しずくは繊細な大吟醸なので、温度や酒器の選び方でずいぶん印象が変わります。ここでは、基本の温度帯と合う料理、そしてやりがちな失敗を具体的にお伝えします。
冷やして小さめのグラスで香りを楽しむ
しずくのおすすめの飲み方は、5〜10℃に冷やして、小さめのグラスで少しずつ味わうことです。冷蔵庫でしっかり冷やしてから開栓するのが基本になります。
理由は、しずくの魅力である華やかな吟醸香とクリアな飲み口が、冷たい温度帯でこそ引き立つからです。ぬるくなると香りがぼやけ、繊細なバランスが崩れやすくなります。具体例として、ワイングラスのように口が広いものより、口がすぼまった小ぶりのグラスを選ぶと、立ち上る香りを鼻先にとどめやすくなります。飲み方のタイミングとしては、食前の一杯や、料理の序盤に合わせるのがおすすめ。豆知識として、注ぐ量は一度に多くせず、香りが飛ばないうちに飲みきれる量にとどめると、最後まで冷たくおいしく楽しめます。日本酒の温度帯ごとの呼び名や味の変化を知っておくと、選択肢が広がります。

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【失敗パターン1】燗にして香りを飛ばしてしまう
しずくでやりがちな失敗が、良かれと思って燗にしてしまうことです。原因は「日本酒=温めるとおいしい」という思い込みにあります。
しずくのような華やかな大吟醸は、香り成分が温度で飛びやすく、燗にすると持ち味の吟醸香が失われてしまいます。対策はシンプルで、しずくは冷やして飲むと割り切ること。同じ黒龍でも、燗に向くのは香り控えめで旨味のしっかりしたタイプであり、銘柄ごとに適温は異なります。具体的な状況として、寒い季節につい熱燗にしたくなりますが、しずくに関しては冷酒のまま楽しむのが正解です。もう一つの失敗が、開栓してすぐの冷えていない状態で飲んでしまうこと。買ってきてそのまま開けるのではなく、数時間しっかり冷やしてから開栓する。この一手間で、本来の澄んだ味わいに出会えます。
白身魚の刺身や塩系のつまみと合わせる
しずくは繊細な味わいなので、料理も素材の味を活かした淡い味付けのものと好相性です。結論として、白身魚の刺身や塩でいただく天ぷらなど、酒の香りを邪魔しないつまみが向いています。
理由は、濃い味付けやクセの強い料理だと、しずくの穏やかな香りとクリアな余韻が埋もれてしまうからです。具体例として、鯛やヒラメの刺身、湯葉、白身魚の塩焼き、だし巻き卵などが好例。逆に、こってりした煮物や香辛料の効いた料理は主張が強すぎて、繊細な吟醸香とぶつかりやすくなります。注意点として、ペアリングに正解を求めすぎず、まずは塩や薄口の料理から試すと外しにくいです。豆知識ですが、料理と日本酒は「味の濃さ」を揃えると失敗が減ります。淡い酒には淡い料理、と覚えておくと選びやすくなります。
いつ・どこで買える?入手の現実と失敗しないコツ
しずくは「飲みたい」と思ってもすぐに買えるとは限りません。販売時期が限られ、流通量も少ないためです。ここでは、いつ・どこで手に入るのか、そして焦って損をしないための注意点を整理します。仕組みを知っておくと、入手のチャンスをぐっとつかみやすくなります。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| △ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | ○ | △ | ○ | ◎ | ○ | △ |
◎=出荷される時期(6月・10月) ○=店頭に残っていることがある △=入手しにくい ※あくまで一般的な目安です
販売時期は6月と10月の年2回
黒龍しずくの出荷は、6月と10月の年2回、数量限定です。この2つのタイミングが、しずくを定価で手に入れる基本のチャンスになります。
なぜ年2回なのか。袋吊りで搾れる量が限られ、丁寧な造りには時間がかかるため、季節を区切って限られた本数だけを出荷しているからです。具体的な動き方としては、出荷時期の少し前から正規の特約店に問い合わせておき、入荷予定を確認しておくのが確実。人気ゆえに、店頭に並ぶとすぐに売り切れることもあります。注意点として、時期や本数は年によって変わる可能性があるため、最新の情報は黒龍酒造の公式サイトや特約店で確認するのが安心です。豆知識ですが、限定出荷の酒は「予約を受け付ける店」と「店頭販売のみの店」があるので、行きつけの酒販店の販売スタイルを知っておくと動きやすくなります。
【失敗パターン2】転売価格で慌てて買ってしまう
もう一つ気をつけたいのが、相場を大きく超える価格で焦って買ってしまう失敗です。原因は、希少性ゆえの「今買わないと」という焦りにあります。
しずくは正規の特約店で買えば、720mlで税込6,600円前後が定価の目安です。実売では7,700円ほどで扱う店もありますが、これも正規流通の範囲。ところが、二次流通ではこれを大きく上回る価格がつくことも珍しくありません。対策は、まず正規ルートの入荷時期を押さえ、慌てて高値をつかまないこと。具体的な状況として、フリマアプリやオークションでの高額出品は、保管状態が不明なリスクも伴います。とくに要冷蔵管理が甘い個人からの購入は、品質が落ちている恐れもあるため注意が必要です。年2回の出荷を待てば定価で買えるのですから、焦りは禁物です。
買ったあとの保存は冷暗所で、開栓後は早めに
手に入れたしずくは、直射日光を避けた冷暗所、できれば冷蔵庫で保存し、開栓後はなるべく早く飲みきるのが基本です。せっかくの繊細な味わいを、保管で損なわないようにしたいところです。
理由は、大吟醸のような香りを大切にする酒は、光と温度変化に弱いからです。高温や日光にさらされると、香りが変わったり色がついたりすることがあります。具体例として、未開栓なら冷蔵庫の野菜室のような温度が安定した場所が向いています。開栓後は空気に触れて酸化が進むため、数日から1週間ほどを目安に楽しむのがおすすめ。注意点として、ラベルの越前和紙は湿気に弱いので、瓶を濡らさないよう気をつけましょう。日本酒の保存期間や飲み頃について詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

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しずくと似た銘柄・関連ラインの選び方
「しずくは気になるけれど、いきなり手を出すのはハードルが高い」——そんな方のために、黒龍の関連ラインや、シーンに応じた選び方を紹介します。実は、しずくが常に最適解とは限りません。あなたの目的に合った一本を見つけるヒントにしてください。
九頭龍・黒龍の標準ラインとの違い
黒龍を試すなら、まずは九頭龍や黒龍の標準的なラインから入るのも賢い選択です。結論として、しずくは特別な日のための一本、日常には手が届きやすいラインが向いています。
理由は価格と入手性です。九頭龍や黒龍の吟醸クラスは通年で手に入りやすく、価格も日常使いの範囲。しずくのような限定品と違い、飲みたいときに飲めるのが利点です。具体例として、燗でも楽しめるタイプや、食中酒として料理に寄り添うタイプもあり、日々の晩酌に取り入れやすいラインナップがそろっています。注意点として、同じ蔵でもグレードによって味の設計が大きく異なるため、「黒龍だから同じ味」と考えないこと。まずは標準ラインで黒龍らしさに親しんでから、しずくへ進むと、その特別さがより実感できます。
実は、初めての一本にしずくが向かないこともある
意外と知られていないのですが、日本酒に慣れていない段階では、しずくの繊細さが物足りなく感じられることもあります。これは逆張りに聞こえるかもしれませんが、大切な視点です。
理由は、しずくの魅力である「澄んだ味わい」「穏やかな余韻」は、飲み慣れるほど分かってくる繊細さだからです。分かりやすい甘さやパンチを期待して飲むと、「思ったより主張が控えめ」と感じる人もいます。具体例として、フルーティーで甘みのある入門向けの日本酒を何本か飲んでから改めてしずくに戻ると、その透明感の価値が腑に落ちやすくなります。注意点として、高価だから誰にでも刺さるとは限らないということ。日本酒の楽しみは段階的に広がっていくものなので、自分の「今の好み」に正直に選ぶのが、遠回りに見えて近道です。
シーン別・しずくの選び方
しずくは、シーンを選ぶことでその真価を発揮する一本です。目的をはっきりさせると、選ぶ・贈る判断がしやすくなります。
贈答用なら、越前和紙のラベルと大吟醸という格が特別感を演出してくれるため、記念日や目上の方への贈り物に向いています。自分へのご褒美なら、頑張った日の締めくくりに、静かにグラスで味わうのがおすすめ。日本酒好きの集まりに持っていくなら、「黒龍のしずく」という名前だけで話題になり、少量をみんなで分け合う楽しみ方もできます。注意点として、大人数でにぎやかに飲む席よりも、味わいにじっくり向き合える場面のほうがしずくは映えます。TPOに合わせて、九頭龍・黒龍の標準ラインと使い分けるのが、賢い付き合い方です。
黒龍しずくのよくある疑問Q&A
最後に、しずくについて寄せられがちな疑問をまとめて解消しておきましょう。買う前・飲む前のちょっとした不安を、ここでスッキリさせておくと、より安心して一本と向き合えます。
初心者でも美味しく飲めますか?
結論から言えば、初心者でも十分に楽しめますが、飲み方を押さえるとより魅力が伝わります。冷やして小さめのグラスで、というポイントさえ守れば、大吟醸ならではの華やかな香りとクリアな味わいを感じられるはずです。
ただし前述の通り、パンチのある味を期待すると「おとなしい」と感じることもあります。理由は、しずくが主張よりも繊細さで魅せるタイプだからです。具体例として、まず一口目は冷たいうちに香りごと味わい、料理と合わせるより先に酒単体で楽しんでみると、その持ち味に気づきやすくなります。注意点として、はじめての大吟醸としてはやや高価なので、記念日など特別な機会に選ぶと満足度が高まります。
ギフトや贈り物に向いていますか?
しずくはギフトに向いた一本です。理由は、大吟醸という格、越前和紙のラベル、そして「黒龍のしずく」という知名度が、贈り物にふさわしい特別感を備えているからです。
具体例として、日本酒好きの方への記念日の贈り物や、お祝いの席への手土産に選ばれることが多い銘柄です。ただし注意点もあります。要冷蔵で扱いたい繊細な酒なので、贈る相手が受け取ってすぐ冷やせる環境かどうかを一言添えると親切です。また、限定出荷ゆえに希望のタイミングで手配できないこともあるため、贈る予定がある場合は早めに正規の特約店へ相談しておくと安心です。豆知識として、化粧箱付きで用意している店もあるので、ギフト用途の際は購入時に確認するとよいでしょう。
720mlと1800ml、どちらを選べばいい?
結論として、初めてなら720ml(四合瓶)から試すのがおすすめです。理由は、繊細な大吟醸は開栓後に風味が変わりやすく、飲みきりやすいサイズのほうが最後までおいしく楽しめるからです。
720mlであれば、数人でのちょっとした集まりや、一人でじっくり数日かけて味わうのにちょうどよい量です。具体例として、贈答用にも四合瓶のサイズは扱いやすく、相手の負担になりにくいという利点があります。注意点として、たっぷり楽しみたい・大人数の席で開けるなら1800ml(一升瓶)という選択肢もありますが、開栓後の管理には気を配る必要があります。まずは四合瓶で味わいを確かめ、気に入ったら大きいサイズへ、という順番が失敗しにくいです。四合瓶のサイズ感については、こちらの記事も参考になります。

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まとめ:黒龍しずくは、特別な日に静かに味わいたい大吟醸
黒龍しずくは、福井の伝統と手間ひまが詰まった、静かに向き合いたい大吟醸です。派手さで魅せるのではなく、澄んだ香りとクリアな余韻でそっと寄り添ってくれる——そんな一本だからこそ、記念日や自分へのご褒美といった特別な場面にぴったりです。まずは次の出荷時期(6月・10月)を頭に入れて、正規の特約店に入荷予定を問い合わせてみることから始めてみてください。それが、しずくと出会ういちばん確実な一歩です。
なお、価格・販売時期・スペックは変わる場合があります。購入前には黒龍酒造の公式サイトや正規特約店で最新情報をご確認ください。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。

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