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「昔コンビニで見かけたノンアルの缶、名前は確かバービカンだったはず。あれって今どこで売っているんだろう」——そう思って検索すると、出てくるのは「製造終了」の四文字と、なぜか中東の輸入食品店の通販ページ。どちらが本当なのか分からず、途中で調べるのをやめてしまった方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、答えは「どちらも本当」です。日本国内で売られていた「TaKaRaバービカン」は2010年に名前を手放し、中身は「龍馬1865」という別の名前で今も売られています。いっぽうで、ブランドそのものは中東で生き続けていて、アラブ首長国連邦でつくられた現行品が輸入酒販店やハラール食品店を通じて日本にも入ってきています。つまりこの飲み物は、名前と中身が途中で分かれた、少し珍しい経歴の持ち主なのです。
この記事では、中東生まれのモルト飲料としての正体、1986年に日本上陸してから名前が消えるまでの経緯、旧日本版と現行輸入版と後継品を数値で並べた比較、そして今どこで手に入るのかまでを順番に整理します。日本酒を飲まない日の一杯を探している方にも役立つ内容にしました。
・中東で売られている現行品はアラブ首長国連邦製のノンアルコールモルト飲料で、アルコール度数0.0%
・日本で売られていた「TaKaRaバービカン」は2010年に「龍馬1865」へ改称され、名称としては終了している
・改称の理由は味の問題ではなく、指定原料の使用義務とロイヤルティー支払いという契約上の制約
・現行品は輸入酒販店・ハラール食品店・ネット通販で、330ml×24本のケース単位が基本
バービカンとは?中東生まれのノンアルコールモルト飲料の正体

つくっているのはコカ・コーラ系列のオージャン、工場はドバイとダンマーム
現在流通しているのは、Aujan Coca-Cola Beverages Company(ACCBC)が販売するノンアルコールモルト飲料です。ブランド自体はRani Refreshments FZCOが保有し、製造はアラブ首長国連邦のドバイと、サウジアラビアのダンマームにある工場で行われています。日本の店頭に並ぶボトルの原産国表示が「アラブ首長国連邦」になっているのは、このためです。
もともとの開発元は英国のバス・ブリュワリーでした。ペールエールで知られるあのバスです。1983年にオージャン・インダストリーズが中東向けに輸入を始め、1999年に一部市場でのブランド権を取得、2010年に完全な権利を手にしてドバイでの製造に切り替えた、という流れになっています。イギリス生まれ・中東育ちという出自が、この飲み物の性格をかなりの部分まで決めています。
見分け方は単純で、ラベルの原産国表示を見ることです。「アラブ首長国連邦」と書かれていれば現行の輸入版、「日本」と書かれていればそれは日本国内向けにつくられた別物、ということになります。豆知識として、中東で最初に導入されたのは1982年。日本上陸より4年ほど早いタイミングでした。
アルコール度数0.0%、原料の主役は大麦モルト
現行品のアルコール度数は0.0%と表示されています。酒類ではなく炭酸飲料として扱われるため、日本の輸入元も「ビールテイスト飲料」「炭酸飲料」というカテゴリで販売しています。ハラール食品専門店のHAJJI BABAが扱うケース品も、商品分類は炭酸飲料、アレルギー物質・遺伝子組み換え成分ともに「なし」と表示されています。
なぜモルトなのか、という理由は原型をたどると分かります。バス・ブリュワリーというビール会社が、大麦麦芽から糖を引き出す仕組みをそのまま使い、発酵によるアルコール生成の部分を切り離した——という設計思想です。だから麦の香ばしさは残るのに、酔いにつながる成分は入っていません。日本酒でいえば、米の甘みだけを残して発酵を止めた甘酒に構造がやや似ています。
注意しておきたいのは、「0.0%」という表示が「完全なゼロ」を意味するとは限らない点です。国や地域によって、ごく微量まで含めてゼロと表示できる基準が異なります。厳密に0.00%であることを求める場合は、日本国内で製造され0.00%と明記された製品を選ぶほうが確実です。
日本で見かけるのはザクロ・レモン・アップル…フレーバーが主役
日本の店頭やネット通販で確認できるのは、麦そのものの味わいを楽しむオリジナル(モルト)に加えて、パイン、ザクロ、アップル、ピーチ、レモン、イチゴといったフルーツ系のフレーバーです。酒のやまやのオンライン店では「アップルのさわやかな香りが愉しめる」として、アップル風味がオリジナルと同じケース価格で並んでいます。
フルーツ系が主役になっているのは、中東の飲まれ方が背景にあります。公式サイトは「友人と楽しい時間を過ごしたい若い層に愛されている」と紹介していて、食事に合わせる一杯というより、集まりの場でシェアする炭酸飲料としての位置づけです。日本のノンアルコールビールが「ビールの代わり」を目指すのに対し、こちらは最初から独立した飲み物として設計されている、と考えると分かりやすくなります。
選び方のコツは、麦の香ばしさを味わいたいならオリジナル、甘い炭酸飲料として楽しみたいならフルーツ系、と割り切ることです。フルーツ系は甘みがしっかり乗っているので、ビールの代替を期待して買うと印象がずれます。ここは事前に押さえておくと失敗が減る部分です。

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湾岸諸国では「ノンアル飲料の代名詞」になっている
中東・北アフリカでの浸透度は、日本の感覚からするとかなり特殊です。GCC(湾岸協力会議)諸国では、このブランド名がノンアルコールモルト飲料そのものを指す一般名詞のように使われるところまで定着しています。日本でいえば「宅急便」や「セロテープ」のような、商標が普通名詞化した状態です。
背景には宗教的な事情があります。飲酒を控える文化圏では、乾杯の場に置ける「大人向けの飲み物」の需要が大きく、そこを長年埋めてきたのがこのブランドでした。2011年にはマレーシアの国家ファトワ評議会が、モルト系飲料をムスリムが飲めるものとして裁定しています(バービカン自体はハラールロゴを表示していないという記載もあるため、認証マークが必要な場面では現物表示の確認が必要です)。
この普及度は、日本で入手する際にも効いてきます。輸入酒販店だけでなくハラール食品専門店が定番として扱っているのは、この文化的背景があるからです。探す場所を「ノンアルコールビールの棚」から「輸入食品・ハラール食品の棚」に切り替えると、見つかる確率が一気に上がります。
| 販売元・製造地 | Aujan Coca-Cola Beverages Company(ドバイ/ダンマーム) |
| 分類 | ノンアルコールモルト飲料(炭酸飲料) |
| 原産国 | アラブ首長国連邦 |
| アルコール度数 | 0.0% |
| 内容量・価格 | 330ml×24本/5,132円(酒のやまやYahoo!ショッピング店・税込ケース品) |
| おすすめの飲み方 | 公式サイトの推奨どおり、よく冷やしてグラスに注ぐ |

日本の店頭から名前が消えたのはなぜ?1986年からの40年をたどる
1986年2月、宝酒造が英バス社と組んで日本に持ち込んだ
日本での歴史は、1986年2月に宝酒造が「TaKaRaバービカン」を発売したところから始まります。宝酒造が英国バス・ブリュワリー社と提携して開発した、「新感覚の大人向け飲料」という位置づけの商品でした。日本酒や焼酎のメーカーが、あえて酔わない飲み物を出したという点で、当時としては思い切った一手です。
当時の日本市場には、すでに輸入品が入り始めていました。1982年10月に西独ヘニンガー社の「ゲステル」が販促を開始し、1985年6月には「NA」が本格販売に入っています。1988年の時点で、国産・輸入を合わせて30銘柄まで増えていました。つまりTaKaRaバービカンは「日本初」ではなく、国内メーカーが本腰を入れて参入した先駆けの1本、というのが正確な位置づけです。
興味深いのは、宝酒造の当時の専務が「ノンアルコールビール」という言葉を使わない方針を取っていたことです。まだその言葉が世の中に浸透しておらず、ビールの劣化版と受け取られることを避けたかった、という事情がうかがえます。実際、市場では「ビールほどのコクや深みがない」という評価を受け、長く細々と売られる時期が続きました。
2007年、宝酒造の事業撤退で日本ビールへ販売権が移った
転機は2006年です。宝酒造がアルコール以外の清涼飲料事業から撤退することを発表しました。このとき、日本ビール株式会社が「バービカンを引き継がせてもらえないか」と申し入れ、宝酒造がこれを快諾したことで、2007年に販売権が移ります。ブランドが消えずに済んだのは、この一言があったからでした。
引き継いだ日本ビールは、中身の作り直しに取りかかります。そして2009年12月15日、麦芽100%でアルコール分0.000%を達成したリニューアル版を発売しました。旧版が抱えていた「アルコールが完全にはゼロでない」「コクが足りない」という2つの弱点を、まとめて解消しにいったわけです。
ここで押さえておきたいのは、リニューアルの主眼が「香料や調味料で味を足す」方向ではなかった点です。麦芽から出るモルトエクストラクトを主役に据え、添加物で味付けをしない設計を選びました。この判断が、のちの商品性格を決定づけます。
2010年に名前を手放した理由は「指定原料」と「ロイヤルティー」
そして2010年、日本ビールはバービカンという名称を廃止し、「龍馬1865」に改称します。中身が悪かったからでも、売れなかったからでもありません。理由は契約上の制約でした。
バービカンという名前は英国の地名に由来するもので、この名を冠して販売し続けるには、指定された原料を使う義務と、ロイヤルティーの支払いという2つの負担が付いてきます。麦芽100%・無添加という自分たちの設計思想を貫くうえで、指定原料の縛りは足かせになる。ならば名前を返上して、中身の自由を取ろう——というのが改称の実態です。
この判断は結果的に功を奏しました。改称後の商品は「添加物で味付けをしない本格派」という独自の立ち位置を得て、コロナ禍には売上が前年比170%まで伸びています。名前を守るか中身を守るか、という選択で後者を取った例として、なかなか珍しいケースだと言えます。
【失敗パターン1】「販売終了」で検索を打ち切ると、現行品を見逃す
ありがちなのが、検索結果の見出しに並ぶ「製造終了」の表示を見て、そこで探すのをやめてしまうパターンです。実際、ノンアルコール飲料のデータベースサイトなどでは、この商品名が「製造終了」として登録されています。
原因は、日本語のウェブ上で「バービカン」という語が2つの別物を指していることにあります。ひとつは2010年に名称が終了した日本国内版。もうひとつは今も中東で製造されている現行版です。前者の情報だけを見ると「もう買えない」という結論になり、後者の情報だけを見ると「普通に売っている」という結論になります。
対策はシンプルで、検索するときに「輸入」「UAE」「330ml」のいずれかを足すことです。この一語を足すだけで、現行の輸入版を扱う店のページが上位に出てきます。逆に、日本国内版の味を探しているなら「龍馬1865」で検索し直すのが最短ルートになります。同じ名前を追いかけ続けるより、分岐した先を名指しで探すほうが速いのです。
同じ名前で「終了した日本国内版」と「現在も製造されている中東版」の2系統が語られています。中古市場やフリマアプリで旧・日本国内版のパッケージが出品されていることもありますが、飲料の賞味期限は限られます。購入前に必ず賞味期限の表示と原産国を確認してください。なお、20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
バービカンの中身を数値で読む|旧日本版と現行輸入版はここが違う

3つの系統を1枚の表で見比べる
言葉で説明すると混乱しやすいので、公式サイトと販売店が公表している値だけを集めて表にまとめました。味の主観評価は入れず、公表されているスペックだけを並べています(日本酒の教科書調べ)。
| 比較項目 | 現行輸入版 | TaKaRaバービカン(終了) | 龍馬1865 |
|---|---|---|---|
| アルコール度数 | 0.0% | 1%以下を含有 | 0.00% |
| 原産国 | アラブ首長国連邦 | 日本 | 日本 |
| 内容量 | 330ml | — | 350ml |
| 原材料 | 大麦モルトベース | — | 麦芽、ロースト麦芽、ホップ/炭酸 |
| 販売期間 | 1982年〜現在 | 1986年2月〜2010年 | 2010年〜現在 |
| 主な入手先 | 輸入酒販店・ハラール食品店 | — | 量販店・酒販店・通販 |
この表で目を引くのは、真ん中の列です。「ノンアルコール」を名乗っていた商品が、実際には1%以下のアルコール分を含んでいた——これが旧日本版の実像でした。当時はまだ表示のルールが今ほど整理されておらず、2000年代中盤以降は呼称を「ビールテイスト飲料」に改めています。
旧TaKaRa版は0.00%ではなかったという事実
「昔飲んだあの缶は完全にゼロだったはず」と記憶している方は、いったん立ち止まったほうがよさそうです。旧日本版は当初「ノンアルコール」とうたいながら、1%以下のアルコール分を含有していました。0.00%を達成したのは、日本ビールが手がけた2009年12月15日のリニューアル版からです。
なぜこうなったかというと、製法の問題です。麦芽から糖を取り出して発酵をコントロールする過程で、微量のアルコールが生成されるのを完全に抑え込むのは技術的に難しく、当時の設備では現実的な選択肢が限られていました。ゼロにするには、発酵させないか、後から抜くか、どちらかの工程が必要になります。
この事実は、今の商品を選ぶときにも意味を持ちます。ラベルに「0.00%」と数字まで書かれているものと、「ノンアルコール」とだけ書かれているものは、意味が同じとは限りません。数字を確認する習慣をつけておくと、思い違いを避けられます。
酒税法の線引きは「アルコール分1度」にある
日本の法律では、酒税法上の酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と定義されています(国税庁「酒類の定義」)。裏を返せば、1度未満の飲料は酒類にあたらず、酒税の対象にもなりません。
この線引きが、ノンアルコール飲料の世界に独特のグレーゾーンを生んでいます。0.00%の製品も、0.9%の製品も、法律上はどちらも酒類ではない。だから「ノンアルコール」という同じ看板の下に、まったく性格の違う飲み物が同居することになります。旧TaKaRa版の1%以下という数値も、この枠組みの中で説明がつきます。
選ぶときの実践的な見分け方は、パッケージの数値表示です。「0.00%」と小数点以下まで明記されているものは、日本国内基準でアルコールを含まないと表示された製品。単に「ノンアルコール」「アルコールフリー」とだけ書かれている場合は、微量を含む可能性が残ります。運転や仕事の前など、確実にゼロであることが求められる場面では、数字の表示を必ず確かめてください。

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実は、「ゼロ」の意味は国境をまたぐと変わる
意外と知られていないのですが、アルコール0%表示の基準は国ごとに違います。ある国では0.5%未満を「アルコールフリー」と表示でき、別の国では0.05%未満でなければ認められない、といった具合です。同じ「0.0%」という表記でも、その背後にある基準は輸入元の国の法令に紐づいています。
だからこそ、「輸入品だから信用できない」でも「国産だから安心」でもなく、どの国の基準で、どの数字が表示されているかを見るのが正しい読み方になります。現行輸入版が「0.0%」と一桁で表示され、龍馬1865が「0.00%」と二桁で表示されているのは、単なる表記のクセではなく、それぞれが依って立つ基準の違いを反映しています。
この視点を持っておくと、海外土産のノンアル飲料を選ぶときにも迷いません。数字の桁数まで見る——これだけで、情報の解像度がひとつ上がります。
名前を捨てた後継「龍馬1865」は何が変わったのか
麦芽100%・添加物不使用という設計
日本ビールが掲げているのは「日本初、添加物不使用、麦芽100%、2種のホップ」という訴求です。原材料表示は「麦芽、ロースト麦芽、ホップ/炭酸」だけ。香料も酸味料も甘味料も入っていません。ビールとまったく同じ原料構成から、アルコールだけを抜いた形になっています。
なぜこの構成にこだわったのか。指定原料の縛りを外したからこそ、自分たちの選んだ麦芽とホップだけで組めるようになった——という順序です。名称を返上した理由と、中身の設計が直結しているわけです。ロースト麦芽が入っているのがポイントで、これが麦を炒ったような香ばしさを生みます。
味の傾向としては、麦の香ばしさが先に立ち、キャラメルのような甘みが後ろにあり、最後にホップの苦みで切れる、という組み立てです。飲み口はすっきりしていて、雑味が少ない。香料で「ビールらしさ」を演出していないぶん、素っ気なく感じる人もいますが、食事に合わせやすいのはむしろこちら側です。
100mlあたり12kcal、糖質2.8g、プリン体0gという数値
公表されている栄養成分は、100mlあたりエネルギー12kcal、たんぱく質0g、脂質0g、糖質2.8g、食塩相当量0g、プリン体0gです。350ml缶1本に換算すると、エネルギーはおよそ42kcal、糖質はおよそ9.8gという計算になります。
数値が持つ意味は、比較してみると分かります。日本酒は一合(180ml)でおよそ190kcalですから、缶1本あたりのエネルギーはその5分の1程度にとどまります。麦芽由来の糖分は残るものの、アルコール由来のエネルギーがまるごと消えるためです。
ただし、糖質が0ではない点は押さえておいてください。麦芽100%でつくる以上、麦の糖分は残ります。糖質やプリン体をゼロに近づけたい場合は、そもそも設計思想の違う製品を選ぶ必要があります。何を優先するかで正解が変わる、というのがノンアルコール飲料選びの難しさです。
レモン果汁を合わせた「龍馬レモン」という派生
同じ日本ビールからは、龍馬レモンも出ています。350ml缶でアルコール度数0.00%、原産国は日本。公式サイトは「ビール本来のコクと苦み、新鮮なレモン果汁が素晴らしいビアーカクテルに仕上がっている」と説明しています。ビールにレモンを合わせるラードラー的な発想の商品です。
使い分けの目安はシンプルです。麦の味わいをそのまま受け止めたい日は龍馬1865、食事が濃いめだったり、汗をかいた後だったりする日は龍馬レモン。柑橘の酸が入ると、口の中の油分を流す働きが強くなるので、揚げ物や焼き物との相性が変わります。
豆知識として、フルーツフレーバーで展開している点は中東の現行版と共通しています。麦の飲み物にフルーツを合わせるという発想は、酔わない飲み物の世界では洋の東西を問わず定番になっている、ということです。
| メーカー・原産国 | 日本ビール株式会社(日本) |
| 分類 | ノンアルコールビールテイスト飲料 |
| 原材料 | 麦芽、ロースト麦芽、ホップ/炭酸 |
| アルコール度数 | 0.00% |
| 栄養成分(100mlあたり) | 12kcal/糖質2.8g/プリン体0g/食塩相当量0g |
| おすすめの飲み方 | よく冷やして、口の広いグラスに勢いよく注ぐ |
名前を捨てたから中身が良くなった、という見方
ブランド名を失うのは普通なら痛手です。1986年から積み上げた24年分の知名度を、2010年に自ら手放したわけですから。実際、いまだに「あの名前で探している人」が検索し続けていることが、その知名度の証明でもあります。
それでも中身を取った判断は、結果として正しかったと言えそうです。指定原料の義務がなくなったことで麦芽100%・無添加という設計が可能になり、その独自性が評価されて、コロナ禍には売上が前年比170%まで伸びました。名前を守っていたら、この形にはなっていません。
読者にとっての実益はこうです。もし探しているのが「あの缶の味の記憶」なら、名前を追わずに後継品を試すのが近道になります。逆に探しているのが「バービカンという名前がついたボトル」なら、輸入版に手を伸ばすことになります。自分がどちらを求めているのかを先に決めると、買い物が一気に楽になります。
いま日本で買えるルートは4つ|ケース単位が基本になる理由
輸入酒販店のオンライン店で買う
もっとも入手しやすいのが、輸入酒を扱う酒販店のオンライン店です。酒のやまやのYahoo!ショッピング店では、オリジナルとアップル風味がそれぞれ330ml×24本のケース品として並んでいて、価格はどちらも5,132円(税込)。保存方法は常温と表示されています。
この経路の利点は、商品ページに原産国・容量・保存方法が整理されて載っていることです。輸入食品は表示が英語のみのこともありますが、国内の酒販店を通せば日本語の商品情報が付いてきます。初めて買うときは、こちらから入るのが安全です。
注意点は在庫の波です。輸入品は入荷ロット単位で動くため、特定のフレーバーだけ品切れが続くことがあります。狙いのフレーバーがある場合は、複数の販売店をブックマークしておくと取りこぼしが減ります。
ハラール食品専門店という、気づきにくい入手先
意外な穴場が、ハラール食品を扱う専門店です。オンラインのHAJJI BABAでは、330ml×24本の1ケースを5,702円(税込)で扱っていて、パイン・ザクロ・アップル・ピーチ・レモン・イチゴといったフレーバーから選べます。原産国はアラブ首長国連邦、分類は炭酸飲料と明記されています。
なぜこの経路が成立するかというと、前述のとおり、この飲み物が中東でノンアルコール飲料の定番として定着しているからです。ハラール食品店にとっては、しょうゆやスパイスと同じ「日常の定番在庫」にあたります。フレーバーの品揃えは、こちらのほうが豊かなことも珍しくありません。
実店舗を探すなら、モスク周辺やハラール食材店が集まるエリアを当たるのが早道です。ただし店ごとに扱いは異なるため、訪問前に取扱いの有無を確認しておくと空振りを防げます。
ネット通販とケース単位の価格感
大手ECモールでも、330ml×6本の小ロットから330ml×24本のケースまで流通しています。フレーバーの詰め合わせセットが出ていることもあり、まず味を試したい場合は6本セットから入ると無駄がありません。
価格の考え方としては、24本ケースで5,132円、扱う店によっては5,702円という水準で、1本あたりの単価はケースの本数で割って把握します。国産のノンアルコールビールと比べると割高ですが、輸入コストと少量流通を考えれば妥当な水準です。後継品にあたる龍馬1865は、カクヤスでは350ml缶24本のケースが3,456円(税込)で扱われており、こちらは国内製造ぶん手に取りやすい価格帯です。
豆知識として、瓶入りと缶入りの両方が存在します。中東ではガラス瓶が主流で、フレーバーによっては瓶のみという場合もあります。冷やす速さは缶が有利、香りの立ち方は瓶が有利、というのが一般的な傾向です。
【失敗パターン2】フレーバーを確認せずケース買いする
この商品でいちばん起きやすい失敗が、フレーバーを確かめずに24本ケースを注文してしまうことです。「ノンアルコールビール」というカテゴリ名だけを見て、ビール風味のオリジナルが届くと思い込むと、開けてみたら甘いフルーツ炭酸が24本、という事態になります。
原因は商品名の表記にあります。販売ページによっては「ノンアルコールビール 1CASE(24本セット)」のように、フレーバーが商品名から独立した選択項目になっていることがあります。カートに入れる前の選択欄を見落とすと、店側が在庫の多いフレーバーを送ることになります。
対策は3つです。第一に、注文確定画面でフレーバー名が入っているかを必ず確認すること。第二に、初回は6本セットで好みを見極めてからケースに移ること。第三に、賞味期限の表示を確認することです。輸入品は船便で入ってくるぶん、店頭に並ぶ時点で残り期間が短くなっているケースがあります。24本を飲み切れる期間かどうか、逆算しておくと安心です。
ケース購入前に「フレーバー名」「賞味期限」「原産国」の3点を確認してください。輸入品は入荷時期によって残存期限が大きく変わります。また、保存方法は常温と表示されていますが、直射日光の当たる場所や高温になる車内での保管は避け、飲む前に冷蔵庫でしっかり冷やすのが基本です。
冷やし方とグラスで味が変わる|モルト飲料をおいしく飲む手順
5〜8℃まで冷やしてから注ぐ
公式サイトが推奨しているのは「よく冷やして飲むこと」です。目安としては、冷蔵庫で3時間以上冷やして5〜8℃あたりに落とすと、麦の甘みが締まって炭酸の刺激が立ちます。常温のまま飲むと、モルト由来の甘みが前に出すぎて重たく感じられます。
理由は温度と甘味の関係にあります。糖は温度が上がるほど甘く感じられ、炭酸ガスは温度が下がるほど液体に溶け込みます。つまり冷やすことで「甘さを抑えつつ、泡の刺激を残す」という二重の効果が得られるわけです。日本酒の冷酒が5℃刻みで呼び名を持つのと同じで、温度は味の設計に直接効いてきます。
急いでいるときは、氷水に塩をひとつまみ入れて瓶ごと沈めると、10分ほどで飲み頃に届きます。冷凍庫での急冷は、うっかり凍らせて中身を噴かせる原因になるので避けたほうが無難です。
グラスは口の広いものを選ぶ
瓶や缶から直接飲むより、グラスに注いだほうが香りははっきり立ちます。口の広いタンブラーやビアグラスを選ぶと、麦の香ばしさが鼻に抜けやすくなります。日本酒でいえば、香りの高い吟醸酒をラッパ型のグラスで飲むのと同じ理屈です。
逆に、細長いグラスは炭酸を長く保つ代わりに香りが立ちにくくなります。フルーツフレーバーを冷たく爽快に飲みたいなら細長いグラス、オリジナルの麦の香りを味わいたいなら口の広いグラス、という使い分けが目安になります。
注ぎ方も味を左右します。グラスを立てたまま中央に勢いよく注いで泡の層をつくり、そのあと傾けて静かに注ぎ足すと、泡が蓋の役割をして炭酸が抜けにくくなります。ノンアルコール飲料は最後の一口が気の抜けた味になりがちなので、この一手間が効きます。
割る・足すという楽しみ方
そのまま飲むだけでなく、割ったり足したりする使い方もあります。オリジナルにレモンやライムを絞ると、麦の甘みが引き締まって食事に寄り添う味になります。中東では、モクテル(ノンアルコールカクテル)のベースやデザートの材料としても使われています。
組み合わせの考え方は、日本酒の割り材選びと同じです。甘みが強いと感じたら酸を足す、香りが弱いと感じたら柑橘の皮を添える。フルーツフレーバーなら、無糖の炭酸水で半分に割ると甘さが落ち着いて飲みやすくなります。
注意したいのは、氷を入れると急速に薄まる点です。炭酸飲料は氷が溶けると味も炭酸も同時に落ちるので、しっかり冷やしてから氷なしで飲むのが基本になります。どうしても氷を使うなら、大きめの氷を1〜2個にとどめてください。

冷蔵庫に1本入れておくと便利だとは思うけれど、ノンアルコールビールって結局どれを買えばいいのか分からない。前に買ったものが薄く感じて、それきり棚から遠ざかってい…
日本酒好きが手に取る日はいつ?シーン別の使い分け
お酒を休む日の置き換えとして
日本酒を日常的に楽しんでいる方にとって、酔わない飲み物の役割は「飲む儀式は残しつつ、アルコールだけ抜く」ことにあります。冷えたグラスに注ぐ、泡が立つ、香りが上がる——この一連の動作が残っていれば、満足感は思いのほか保たれます。
この用途で選ぶなら、麦の香ばしさがしっかりある製品のほうが向いています。フルーツフレーバーは甘みが主役なので、食後のデザート的な位置づけにはまりますが、晩酌の置き換えとしてはやや軽く感じられます。オリジナルか、後継の龍馬1865あたりが候補になります。
実践的なコツは、いつもの酒器を使わないことです。ぐい呑みや徳利で飲むと日本酒の記憶と直接比較してしまい、物足りなさが際立ちます。専用のグラスを決めておくと、別の飲み物として素直に楽しめます。

「お酒は飲めるけれど、今日はやめておこうかな」。そんな日が月に何度かある人は、実はもうソバキュリアンの入り口に立っています。飲めないから飲まないのではなく、飲め…
車を運転する日・この後に予定がある日
移動や仕事の予定が控えている日は、アルコール度数の表示を確認して選ぶのが基本になります。前述のとおり、日本の酒税法では1度未満なら酒類に該当しないため、「ノンアルコール」の表示だけでは含有量が0とは限りません。
確実にゼロを求める場面では、「0.00%」と小数点以下2桁まで明記された製品を選ぶのが分かりやすい判断基準です。龍馬1865は0.00%、現行の輸入版は0.0%と表示されています。表示の桁数と、その国の基準を踏まえて選んでください。
持ち運びの面では、缶のほうが扱いやすいという実用的な違いもあります。瓶は栓抜きが必要な場合があり、屋外やオフィスでは不便です。シーンから逆算して容器を選ぶ、という視点を持っておくと便利です。
日本酒との飲み比べという遊び方
少し変わった使い方として、日本酒と並べて香りの構造を比べる、という楽しみ方があります。日本酒は米のデンプンを麹で糖に変えて発酵させ、モルト飲料は大麦のデンプンを麦芽の酵素で糖に変えます。原料は違っても「デンプンを糖に変える」という工程は共通しています。
並べて香りを取ると、日本酒側からは米の甘い香りや吟醸香が、モルト側からは焙煎した麦の香ばしさが立ちます。同じ穀物の酒でも、こんなに香りの方向が違うのかと分かるはずです。純米酒とオリジナルを常温で並べると、輪郭の違いがつかみやすくなります。
この比べ方は、日本酒の香りを言葉にする練習にもなります。何かと並べると、単体では気づかなかった特徴が浮かび上がるからです。唎酒師や日本酒検定の勉強をしている方にとっては、香りの表現を鍛える手軽な素材になります。
ハラール対応が必要な会食・手土産として
海外からのお客様を招く会食では、飲酒を控える方への一杯をどう用意するかが悩みどころになります。中東で定番として親しまれているモルト飲料は、この場面で選択肢に入ります。飲み慣れた味であることが、そのまま安心材料になるからです。
ただし、認証マークを必要とする場面では確認が要ります。2011年にマレーシアの国家ファトワ評議会がモルト系飲料をムスリムが飲めるものと裁定していますが、この商品自体はハラールロゴを表示していないという記載もあります。厳密な認証が求められる会食では、現物のパッケージ表示を事前に確認してください。
手土産にする場合は、フレーバーの詰め合わせが喜ばれます。ザクロやレモンといった中東らしい味は、日本の炭酸飲料にはない組み合わせで、話題のきっかけにもなります。
まとめ|名前は消えても、中身は2つのルートで生き残っている
ひとつの商品名が、契約上の理由で名前だけを手放し、中身は別の名前で生き延び、本家は海の向こうで育ち続けた。40年かけて枝分かれしたこの経緯を知っておくと、検索結果に「製造終了」と出てきても迷わずに済みます。最初の一歩としておすすめしたいのは、330ml×6本の小ロットでオリジナルを試してみることです。麦の香ばしさが自分の好みに合うと分かってから、24本ケースに進めば無駄がありません。
なお、価格・取扱いフレーバー・在庫状況は時期によって変わります。購入前に販売店の最新情報をご確認ください。

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