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竹雀はなぜ燗で化ける日本酒?酵母無添加の生酛・山廃9種を数値で徹底解説

2026 8/05
銘柄図鑑
2026年8月5日
竹雀はなぜ燗で化ける日本酒?酵母無添加の生酛・山廃9種を数値で徹底解説のアイキャッチ画像

本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

酒屋の棚で「竹雀」と書かれたラベルを見つけて、雀の絵の可愛らしさと中身の想像がつかないギャップに、手に取っては戻した——そんな経験はありませんか。読み方は「たけすずめ」。岐阜県池田町にある大塚酒造が醸す純米酒のブランドです。名前も見た目も柔らかいのに、中身は驚くほど骨太。それが竹雀という銘柄の面白さです。

結論から言うと、竹雀は「冷蔵庫でキンキンに冷やして香りを楽しむ酒」ではありません。酵母を添加せず、生酛(きもと)や山廃(やまはい)という手間のかかる造りで、米の旨味と乳酸由来の酸をしっかり引き出す。だから冷えたままの一杯より、常温に戻した一杯、40℃前後のぬる燗にした一杯のほうが本領を発揮します。華やかな吟醸香を期待して買うと肩透かしを食らい、逆に「燗にして旨い純米酒」を探している人には長く付き合える一本になります。

この記事では、竹雀という銘柄の成り立ちから、生酛と山廃の造り分け、定番と季節限定を含む9種類のスペック比較、温度別の飲み方、合わせる料理、そして入手ルートと開栓後の扱いまでを、酒販店が公表している数値を集計しながら整理していきます。読み終わるころには、次に酒屋で竹雀を見つけたとき、どのラベルを選べばいいかが自分で判断できるはずです。

📌 押さえておきたいポイント

・竹雀は岐阜県池田町・大塚酒造の純米酒ブランド。読みは「たけすずめ」
・主力は酵母無添加の生酛造りと山廃仕込み。香りは控えめで旨味と酸が主役
・精米歩合60〜70%が中心。削りより造りで味を出すタイプ
・冷酒より常温〜ぬる燗で伸びる。通年商品と季節限定でラベルが入れ替わる

目次

竹雀とはどんな日本酒?家紋の雀が教えてくれる蔵の姿勢

竹雀とはどんな日本酒?家紋の雀が教えてくれる蔵の姿勢の解説画像

「たけすずめ」の名前は蔵元の家紋から取られている

竹雀という銘柄名は、大塚家に代々伝わる家紋の「竹と雀」に由来します。全国区の銘柄にありがちな、産地名や縁起の良い漢字を組み合わせたネーミングではなく、蔵元一族そのものを名前にした。ここに、この蔵の性格がよく表れています。

なぜ家紋なのか。竹雀は6代目蔵元杜氏の大塚清一郎さんが立ち上げた比較的新しいブランドで、桶売り(他社への原酒供給)に頼っていた時代を抜け出し、自分の名前で酒を出すと決めた覚悟のしるしだからです。家紋を掲げるということは、味の責任を一族が背負うという宣言でもあります。

見分け方は簡単で、ラベルには雀が描かれています。取扱店では愛称として「雀ちゃん」と呼ばれることもあり、季節限定品では雀のイラストの色や背景が変わるため、常連は絵柄でどの酒かを判別しています。青空を思わせるボトルの夏酒、うすにごりの冬酒など、ラベルの表情そのものが商品コードのような役割を果たしているわけです。

豆知識として、大塚酒造は竹雀のほかに「初霜」という銘柄も持っています。竹雀=新ブランド、初霜=地元向けの古くからの銘柄という住み分けです。地元の酒屋で初霜を見かけたら、同じ蔵の酒だと思ってください。

廃業寸前だった蔵を6代目が建て直して生まれた

竹雀は、蔵が一度どん底を見たあとに生まれたブランドです。1884年創業の大塚酒造は、日本酒需要の落ち込みで大手向けの供給契約を失い、廃業寸前まで追い込まれました。

そこから立て直したのが、東京農業大学の醸造科を卒業し、三重県の酒蔵で修業を積んで戻った6代目です。丹波杜氏の指導と地元の米農家の協力を得て、自社ブランドとして竹雀を立ち上げました。平成22酒造年度(22BY)からの船出で、日本酒の歴史から見ればまだ若い銘柄です。

この経緯を知っていると、味の設計が腑に落ちます。大手向けに大量の酒を供給していたころの「無難で癖のない酒」から、真逆に振り切ったのが竹雀です。酵母を添加しない、濾過をしない、加水もしない。手間と失敗リスクを引き受ける代わりに、他所では出せない味を狙う。取扱いのある酒販店から「岐阜の異端児」と評されるのは、この振り切り方に対する評価です。

注意しておきたいのは、規模が小さいということ。家族経営の小さな蔵で、造る量そのものが限られます。だから流通は全国の地酒専門店が中心で、スーパーや量販店の棚で見かける機会はほとんどありません。「近所で買えない銘柄」だと最初から知っておくと、探し方の作戦が立てやすくなります。

目指しているのは香り控えめ・旨味と酸のバランス型

竹雀が目指す酒質は、香りが穏やかで、米の旨味があり、バランスが良く、そして燗にすると伸びる酒です。取扱店が伝える蔵の方針もこの一点で一貫しています。

その理由は原料と造りにあります。仕込み水は粕川の伏流水。使用米は山田錦、雄町、五百万石、そして岐阜の飯米であるハツシモ。そこに酵母無添加の生酛や山廃を組み合わせると、吟醸酵母が出すリンゴやバナナのような香り(カプロン酸エチルや酢酸イソアミル)はほとんど立ちません。代わりに前に出てくるのが、乳酸発酵由来のヨーグルトのような酸と、米を噛んだときのような甘みです。

実際にグラスで確かめるなら、鼻を近づけたときに何も香ってこなくても慌てないことです。口に含むと米の旨味がじわりと広がり、飲み込んだあとに酸がすっと切れていく。この「後から来る」タイプの味わいが竹雀の基本形です。

ここで初心者がやりがちな失敗を1つ挙げます。獺祭や十四代のような華やかな吟醸香を期待して買い、冷蔵庫から出したてを小さめのグラスで飲んでしまうケースです。5℃前後まで冷えた状態では旨味も酸も閉じてしまい、「味が薄い」「香りがない」という感想で終わってしまいます。原因は酒ではなく温度。対策は単純で、注いでから10分置くか、手のひらで包んで温度を上げるだけ。これだけで印象が変わります。

Q. 竹雀は「入手困難な幻の日本酒」なのでしょうか?
A. 抽選や定価割れ販売が問題になるような「プレミア銘柄」ではありません。ただし造りの規模が小さく、取扱いが地酒専門店に限られるため、住んでいる地域によっては実店舗で出会えないことがあります。入手の壁は人気の過熱ではなく流通経路の細さにある、と考えるのが実態に近い銘柄です。

蔵の場所と問い合わせ先を押さえておく

竹雀を醸す大塚酒造は、西国三十三所の結願寺である谷汲山華厳寺へ通じる街道沿いに建っています。濃尾平野の北西端、池田山のふもとにあたる一帯で、酒米も蔵の周りの田んぼで育てられたものが使われます。「地元の米・地元の水で、地元の人が飲む酒を造る」という言葉どおりの立地です。

蔵の基本情報は下のカードにまとめました。取り扱いや在庫の状況は時期によって変わるため、確実な情報が欲しいときは直接問い合わせるのが早道です。なお、蔵元情報は岐阜県酒造組合連合会の蔵元紹介ページでも公開されています。

📍 大塚酒造
住所 〒503-2424 岐阜県揖斐郡池田町池野422
電話番号 0585-45-2057
精米歩合の比較チャート(裏竹雀 純米大吟醸 山田 40%・竹雀 山廃純米吟醸 雄町 50%・竹雀 山廃純米 火入れ 60%・竹雀 生酛純米 無濾過生 60%)
精米歩合の比較(日本酒の教科書調べ・各公式サイトより、2026年8月時点)

覚えておきたいのは、竹雀は蔵の公式通販ではなく、全国の地酒専門店を通じて流通している銘柄だということ。ネットで「竹雀」と検索したときに出てくるのは、ほとんどが取扱い酒販店のオンラインショップです。したがって価格も店ごとに差が出ます。この記事で挙げる価格も、あくまで取扱店が公表している参考値として読んでください。

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酵母無添加の生酛と山廃、この2つで何が変わるのか

生酛は乳酸菌を「呼び込んで」酛をつくる手法

生酛造りとは、乳酸を添加せず、蔵や空気中に住む乳酸菌の働きを利用して酒母(酛)をつくる伝統的な手法です。竹雀の主力商品はこの生酛で仕込まれています。

なぜ手間をかけるのか。理屈はこうです。酒母づくりでは、雑菌を抑えて酵母だけを増やす必要があります。現代の速醸酛では醸造用乳酸を投入して一気に酸性環境をつくりますが、生酛は蒸米と麹と水をすり潰し(山卸)、時間をかけて硝酸還元菌→乳酸菌→酵母という微生物のバトンリレーを起こします。この過程で生まれるアミノ酸と有機酸が、生酛特有の複雑な旨味と厚みのある酸になります。

飲んで見分けるポイントは、後味の「立体感」です。速醸の酒がまっすぐ一本の線で流れるとすれば、生酛は口の中で味が層になって立ち上がってくる。竹雀の生酛純米 無濾過生原酒 野網 山田錦は、取扱店が「米の旨味と生酛らしいしっかりした酸が感じられる」と表現しており、まさにこのタイプです。

注意点は、生酛=濃い、というわけではないこと。生酛でも軽快に仕上がる酒はありますし、逆に速醸でも濃厚な酒はあります。ラベルの「生酛」は造りの表示であって、味の濃さの保証ではありません。

山廃は「山卸を廃止した」生酛の省力版

山廃仕込みは、生酛から山卸(蒸米をすり潰す作業)だけを省いた造りです。名前の「山廃」は「山卸廃止」の略で、明治期に開発されました。竹雀では通年商品の多くがこの山廃です。

山卸を省けるのは、麹の酵素で米が自然に溶けることが分かったからです。作業負担は減りますが、乳酸菌を呼び込んで酒母をつくるという骨格は生酛と同じ。だから山廃の酒も、速醸とは明確に違う酸と旨味を持ちます。

具体例で見てみましょう。竹雀 山廃純米 火入れは、山田錦30%・五百万石70%のブレンドを精米歩合60%まで磨き、7号酵母を使ってアルコール度数15〜16度に仕上げた通年商品です。しかも蔵の中で3年熟成させてから出荷されます。取扱店の説明では「米由来の旨味と酸が調和し、バランスの良い飲み口」で、温めるとまとまりが増して料理との相性が上がるとされています。

豆知識として、生酛と山廃を飲み比べたいなら同じ蔵の酒で比べるのが鉄則です。蔵が違えば水も米も酵母も違うため、造りの差だけを取り出せません。竹雀は生酛と山廃を両方ラインナップしているので、比較教材としてはかなり優秀な銘柄です。

酵母を添加しないという、もう一段深い選択

竹雀の主力商品は、生酛や山廃であることに加えて「酵母無添加」で仕込まれます。これは市販の協会酵母を投入せず、蔵に住み着いた酵母がタンクの中で自然に増えるのを待つやり方です。

この選択が効いてくるのは、香りと味の方向性です。協会酵母は「この酵母ならこの香り」という設計図が明確ですが、蔵付き酵母は複数の菌が混在するため、香りは穏やかになり、その代わりに輪郭のはっきりした酸と厚みが出ます。竹雀が「燗上がりする酒」を名乗れるのは、この酸の土台があるからです。

ただし、リスクも大きい。発酵が計画どおりに進まなければ、タンク1本まるごと商品にならない可能性があります。年によって味のブレが出るのも避けられません。竹雀を毎年買っている人が「今年のはこうだね」と話すのは、このブレを含めて楽しんでいるからです。

買うときのコツとしては、ラベルの醸造年度(BY)表記を見る習慣をつけること。R5BY、R6BYといった表記は「令和5酒造年度」「令和6酒造年度」を意味します。同じ商品名でも年度が違えば別の酒だと考えたほうが、期待とのズレが起きません。

実は、精米歩合70%は「手抜き」ではなく設計思想

意外と知られていないのですが、竹雀の主力商品の精米歩合は60〜70%と、いわゆる高級酒の基準からすると「あまり磨いていない」数値です。山廃純米 無濾過生原酒 雄町70にいたっては、商品名に堂々と「70」を掲げています。

これは狙ってやっていることです。米を磨けば磨くほど雑味の元になるタンパク質や脂質が減り、クリアで華やかな酒になります。裏を返せば、旨味の素も一緒に削り落としているということ。旨味と酸で勝負する酒にとって、削りすぎは武器を捨てる行為になります。

国税庁の清酒の表示制度でも、純米吟醸酒は精米歩合60%以下という要件がありますが、純米酒には精米歩合の下限規定がありません。つまり「純米酒」という表示は、磨いていないから安いのではなく、磨かない選択もできるという意味を持っています。竹雀の70%表記は、その自由度を積極的に使った結果です。

精米歩合の数字と味の関係については、こちらの記事で詳しく整理しています。

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竹雀の定番3本を数値で比較——最初の1本はどれを選ぶか

竹雀の定番3本を数値で比較——最初の1本はどれを選ぶかの解説画像

山廃純米 火入れ:通年で買える「基準の1本」

竹雀を初めて買うなら、まず候補に挙げたいのが山廃純米 火入れです。理由は3つあり、通年で流通していること、火入れなので常温輸送・常温保管に耐えること、そして価格が手に取りやすい帯にあることです。

スペックを確認しておきましょう。使用米は山田錦30%・五百万石70%、精米歩合60%、酵母は7号、アルコール度数15〜16度。ここまでは標準的な純米酒の数値ですが、特筆すべきは蔵の中で3年熟成させてから出荷される点です。3年ぶんの熟成で角が取れ、色もわずかに黄みを帯び、味に落ち着きが出ます。

飲み方は常温から燗が推奨されています。取扱店の説明でも、温めるとまとまりが増して料理と合わせやすくなるとされており、これが竹雀の性格を最も分かりやすく体験できる一本になります。冷酒で一杯、常温で一杯、ぬる燗で一杯と順に試せば、温度で味が動く感覚が一晩でつかめます。

価格は1800mlで3,190円(税込)。720mlを扱う店では1,650円ほどが目安ですが、取扱店によって差があるため参考値として見てください。注意点は、3年熟成ゆえに開けた直後よりも数日置いたほうが開いてくることがある点。一晩で飲み切らず、冷暗所で少しずつ楽しむ飲み方が向いています。

🍶 銘柄スペックカード
酒蔵・産地大塚酒造(岐阜県池田町)
特定名称純米酒(山廃仕込み・火入れ)
精米歩合60%(山田錦30%・五百万石70%)
アルコール度数15〜16度(7号酵母・蔵内3年熟成)
内容量・価格1800ml/3,190円(税込・取扱店公表値)
おすすめの飲み方常温〜燗(40〜50℃で旨味と酸がまとまる)

生酛純米吟醸 無濾過生原酒:ハレの日に開ける上位クラス

竹雀のラインナップで最も価格帯が上がるのが、生酛純米吟醸 無濾過生原酒です。取扱店で「ハレの日用」と紹介される位置づけの酒で、贈り物にも選ばれます。

上位クラスになる理由は原料と造りの掛け算にあります。使用米は岐阜県池田町産の山田錦。つまり蔵の周りで育った酒米です。それを純米吟醸の規格まで磨き、酵母無添加の生酛で仕込み、濾過も加水も火入れもせずに瓶詰めする。手間の掛け方が定番品とは別格で、しかも量が限られます。

味わいの方向は、生酛の酸に吟醸らしい繊細さが乗ったイメージです。無濾過生原酒なので、開栓直後はガスを含んだような若さと厚みがあり、日が経つにつれて丸くなります。飲むなら8〜12℃程度に冷やして、口径の広めのグラスで。閉じた香りが開くまで少し待つと印象が変わります。

価格は720mlで2,970円(税込)、1800mlで4,950円(税込)。無濾過生原酒ですから要冷蔵で、購入後は必ず冷蔵庫に立てて保管してください。注意点として、贈り物にする場合は相手の冷蔵庫事情を先に確認すること。一升瓶の生原酒は家庭用冷蔵庫に入らないことが多く、720mlのほうが親切なケースが少なくありません。

生酛純米 無濾過生原酒 野網 山田錦:農家の名を冠した1本

「野網(のあみ)」という耳慣れない言葉がラベルに入った一本があります。これは米を作っている地元農家の名前に由来しています。品種名でも地名でもなく、人の名前を商品名にしているわけです。

なぜそうするのか。竹雀の酒米は蔵の周囲の田んぼで育てられており、誰がどの田で作った米かが特定できます。ワインでいう単一畑の考え方に近く、米の作り手まで含めて味の責任を明示する姿勢が、この命名に表れています。

スペックは、岐阜県池田町産山田錦を精米歩合60%、アルコール度数17〜18度。無濾過生原酒ならではの高い度数で、口当たりは濃密です。取扱店は「寝かせるほど旨味が増していく」「米の旨味と生酛らしいしっかりした酸が感じられる一本」と説明しており、買ってすぐ飲み切るより、冷蔵庫で数か月置いて変化を追う楽しみ方に向いています。

価格は720mlで2,310円、1800mlで3,999円ほどが目安です(取扱店によって差があります)。注意したいのは度数の高さで、17〜18度は一般的な日本酒より2〜3度高い水準です。同じペースで飲むと想定より早く酔いが回るため、小さめの器でゆっくり、あるいはロックや水割りで度数を落として飲むのも選択肢になります。

9種類のスペックを一覧にすると選び方が見えてくる

ここまで挙げた3本を含め、取扱店が公表しているスペックを日本酒の教科書で集計し、一覧にしました。数値を横に並べると、竹雀というブランドの設計が一目で分かります。

銘柄 造り 使用米 精米歩合 度数 参考価格
山廃純米 火入れ 山廃 山田錦・五百万石 60% 15〜16度 1800ml 3,190円
生酛純米吟醸 無濾過生原酒 生酛 池田町産山田錦 純米吟醸規格 — 720ml 2,970円
生酛純米 無濾過生原酒 野網 山田錦 生酛 池田町産山田錦 60% 17〜18度 1800ml 3,999円
純米 超辛口 うすにごり 無濾過生原酒 純米(超辛口) 五百万石 60% 17度 720ml 1,980円
超辛口 純米 無濾過生原酒 純米(超辛口) 五百万石 60% 17度 720ml 2,090円
山廃純米 無濾過生原酒 雄町70 山廃 岡山県産雄町 70% 16.9度 720ml 2,200円
山廃純米酒 雄町 山廃・火入れ 岡山県産雄町 70% 15〜16度 1800ml 3,410円
山廃純米吟醸 雄町 山廃 岡山県産雄町 50% 15〜16度 1800ml 4,180円
裏竹雀 純米大吟醸 山田錦 純米大吟醸 山田錦 40% 16〜17度 —

※日本酒の教科書調べ。取扱酒販店が公表しているスペック・価格を集計したもので、醸造年度や店舗により変動します。

表を眺めて気づくのは、精米歩合が60〜70%に集中していること、そして無濾過生原酒の度数が17度台に揃っていることです。上位の純米大吟醸で40%まで磨く技術は持ちながら、主力は意図的に磨きを抑えている。この振れ幅こそが竹雀の設計思想です。

シーン別に選ぶなら、こう考えると迷いません。日常の晩酌用で燗も試したいなら山廃純米 火入れ。冷蔵庫にスペースがあり生原酒の濃さを味わいたいなら野網 山田錦。人に贈るなら生酛純米吟醸 無濾過生原酒の720ml。雄町の味を知りたい人は雄町70から入る。用途を先に決めてからラベルを選ぶのが、この銘柄との付き合い方です。

季節でラベルが入れ替わる限定酒の追いかけ方

冬に出る「うすにごり」は新酒の顔

竹雀のファンが毎年心待ちにするのが、冬に登場する純米 超辛口 うすにごり 無濾過生原酒です。搾りの際に薄く澱(おり)を含ませた新酒で、グラスに注ぐと白く霞んで見えます。

うすにごりが冬に出る理由は単純で、日本酒の仕込みが冬に集中しているからです。搾りたてを火入れせずにそのまま瓶詰めするため、出荷できるのは寒い時期に限られます。澱には米の細かい粒子が含まれ、これが甘みとふくらみの元になります。

スペックは五百万石を精米歩合60%、アルコール度数17度。「超辛口」を名乗りながら、うすにごりの澱がふくらみを添えるため、辛いというより「キレるのに膨らむ」感覚に近い一本です。冷やして飲むのが基本で、720mlで1,980円(税込)が目安になります。

開けるときのコツを1つ。うすにごりや活性系の酒は瓶内でガスを含んでいることがあり、勢いよく開栓すると吹きこぼれます。冷蔵庫でしっかり冷やし、瓶を立てたまま栓を少しずつ緩め、シューという音が収まってから開けきってください。澱を混ぜたいときは、開栓後に瓶をゆっくり傾けて上下を返します。振るのは厳禁です。

夏の超辛口生原酒は食中酒として設計されている

季節がめぐって夏になると、超辛口 純米 無濾過生原酒が登場します。取扱店が「雀ちゃんの夏酒」と呼ぶ商品で、青空を思わせるボトルデザインの年もあります。

夏酒として設計されている理由は、キレの良さです。取扱店の説明では「キレが良く、口中に広がる酸味や旨みが絶妙にうまい食中酒に最適な一本」とされています。夏場は脂の多い料理や冷やした料理を食べる機会が増えるため、酸とキレで口の中をリセットできる酒が重宝します。

スペックは五百万石、精米歩合60%、アルコール度数17度。冷蔵庫で保管し、冷やして飲むのが推奨です。価格は720mlで2,090円(税込)。度数17度の生原酒ですから、氷を1〜2個入れたロックにして5〜6分置くと、溶けた水で度数が下がり、酸が伸びて夏向きの表情になります。

注意点は、夏酒は在庫の入れ替わりが速いこと。「夏酒」として出るものは6〜8月ごろに姿を消し、秋には別のラベルに入れ替わります。気に入った年は見かけたときに確保しておくのが正解です。

🗓 月別カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
◎ ◎ ◎ ○ △ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎

◎=季節限定が出回りやすい時期(冬=うすにごり等の新酒、夏=夏酒) ○=通年商品が中心 △=端境期で品薄になりやすい

雄町シリーズは同じ米で3グレードを飲み比べられる

竹雀の面白い遊び方として、岡山県産雄町を使ったシリーズの飲み比べがあります。雄町は栽培が難しく背丈が高い古い酒米で、旨味と厚みが出やすいことから「オマチスト」と呼ばれる愛好家がいるほどの品種です。

竹雀では、この雄町で精米歩合の異なる複数の酒を出しています。山廃純米 無濾過生原酒 雄町70は精米歩合70%・アルコール度数16.9度・日本酒度+5・酸度1.8という数値で、720mlの参考価格は2,200円ほど、1800mlは3,960円ほど。火入れ版の山廃純米酒 雄町は精米歩合70%・15〜16度で1800ml 3,410円(税込)。さらに磨きを上げた山廃純米吟醸 雄町は精米歩合50%・15〜16度で、1800ml 4,180円ほどが目安です。

この3本を並べると、「同じ米・同じ造りで、磨きと火入れだけを変えたらどうなるか」という実験ができます。生原酒は輪郭が太く、火入れは丸く、吟醸規格は輪郭が細くなる。日本酒の教科書としては、これほど分かりやすい教材はなかなかありません。

豆知識として、日本酒度+5・酸度1.8という数値の組み合わせは、糖分が少なめで酸がしっかりある「辛口だが痩せていない」タイプを示します。日本酒度だけを見て「+5だから辛い」と判断すると外すことがあるのは、酸度とのバランスで甘辛の感じ方が変わるためです。

「裏竹雀」という別ラインの存在

竹雀を追いかけていると、「裏竹雀(うらたけすずめ)」というラベルに出会うことがあります。これは通常の竹雀とは別に立てられた限定ラインで、大吟醸クラスの酒が並びます。

なぜ「裏」なのか。本流の竹雀が精米歩合60〜70%の旨味型であるのに対し、裏竹雀は磨きを上げて別方向の表現を狙う位置づけだからです。裏竹雀 純米大吟醸 山田錦は精米歩合40%・アルコール度数16〜17度。同じ蔵が「削らない酒」と「削る酒」を両方持っているのが面白いところです。

見かけるチャンスは多くありません。生産量が少なく、取扱店の限られた枠に入荷するタイプの商品なので、酒販店のメールマガジンやSNSで告知される入荷情報を追うのが現実的な探し方になります。

注意点として、裏竹雀は「本流より上等だから買うべき」という単純な話ではありません。旨味と酸で組み立てた竹雀の魅力を知りたいなら、まずは定番の山廃や生酛から入るほうが、この蔵の個性は伝わります。裏竹雀は、竹雀を何本か飲んだあとの寄り道として楽しむのが順序として自然です。

5℃刻みで表情が変わる、温度別の楽しみ方

10℃前後の冷酒は「輪郭を確かめる」ための温度

竹雀の生原酒を最初に開けたとき、まずは10℃前後の冷酒で味わってください。冷蔵庫の中は3〜6℃程度なので、取り出して5〜10分置くとちょうどこの帯に入ります。

この温度が入り口として適している理由は、酒の骨格が最もはっきり見えるからです。低温では甘みの感じ方が抑えられ、酸とアルコールのアタックが前に出ます。無濾過生原酒特有の若さやガス感も、この温度でこそ分かります。

器は、口径が広く背の低いグラスが向いています。お猪口だと香りの立ち上がりが分かりにくく、ワイングラスだと繊細すぎる。日本酒用の平盃か、小ぶりのタンブラーが扱いやすい選択です。

注意点は冷やしすぎないこと。5℃以下まで冷やすと、竹雀が持ち味にしている旨味と乳酸由来の酸が閉じてしまい、「アルコールっぽいだけの酒」に感じられてしまいます。冷蔵庫の奥ではなく扉ポケット側で保管し、飲む前に少し置く。この一手間が味を変えます。

常温(20℃前後)で旨味の全体像がつかめる

竹雀の真価が見え始めるのが、20℃前後の常温です。日本酒の温度呼称では「冷や」と呼ばれる帯で、冷蔵庫の外に30分ほど出しておくと自然に到達します。

この温度で味が開く仕組みは、香気成分の揮発と味覚感度の関係にあります。温度が上がると甘みを感じる感度が高まり、同時に旨味成分のアミノ酸が輪郭を持って立ち上がってきます。生酛や山廃で厚みのある酒ほど、この効果が大きく出ます。

実践するなら、同じ酒を2つのグラスに注ぎ、片方は冷蔵庫から出したまま、もう片方は30分放置してから飲み比べてみてください。同じ酒とは思えないほど表情が変わるはずです。竹雀 山廃純米 火入れのような熟成の乗った酒は、この差が特に大きく出ます。

豆知識として、開栓後に酒を常温に戻す場合は、瓶ごと出すのではなく、飲むぶんだけを別の器に移すのがおすすめです。瓶ごと温度を上げ下げすると、残りの酒の劣化が早まります。生原酒なら特に、瓶は冷蔵庫に置いたまま運用してください。

40℃前後のぬる燗が竹雀の本命

竹雀が「燗上がりする酒」を掲げている以上、避けて通れないのがお燗です。狙う温度は40℃前後のぬる燗。徳利の底を触って「じんわり温かい」と感じるあたりが目安になります。

ぬる燗が効く理由は、温度上昇で酸のカドが取れ、旨味が液体全体に溶け合うからです。冷えているときはバラバラに感じられた甘み・酸味・旨味が、40℃を超えたあたりで一本にまとまります。取扱店が山廃純米 火入れについて「加温するとまとまりが増し、料理との相性もアップする」と説明しているのは、まさにこの現象です。

つけ方は湯煎が基本です。電子レンジは加熱ムラが出て、部分的に沸騰しかけた酒と冷たい酒が混ざり、香りが飛びます。手間はかかりますが、湯煎のほうが確実に美味しくなります。

♨️ 手順ステップ
Step1:徳利に竹雀を8分目まで注ぐ(注ぎすぎると温度ムラの原因に)
↓
Step2:鍋に徳利の肩まで浸かる量の湯を沸かし、沸騰したら火を止める
↓
Step3:火を止めた湯に徳利を浸けて2〜3分待つ(火にかけたままにしない)
↓
Step4:徳利の底に指を当て、じんわり温かい(40℃前後)と感じたら引き上げる
↓
完成! 温めすぎると香りが飛ぶので、少しぬるいと感じるくらいで引き上げるのがおすすめです

お燗の温度帯と呼び名については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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熱燗まで上げるときにやりがちな失敗

50℃前後の熱燗も竹雀では成立しますが、ここで多いのが「早く温めたくて直火にかける」という失敗です。徳利を鍋に入れたまま火にかけ続けると、器の底に接した部分だけ60℃を超え、香りが飛んで酒に苦みが出ます。

原因は熱伝導のムラです。日本酒は水よりアルコールを多く含むため、局所的に温度が上がると先にアルコールが揮発します。結果として、温めたのに香りは抜け、アルコールの刺激だけが残るという最悪の組み合わせになります。

対策は3つ。火を止めた湯に浸けること、徳利を一度引き上げて中身を軽く回すこと、そして目標より少し低めで止めることです。引き上げた後も余熱で2〜3℃は上がるので、47〜48℃で引き上げれば50℃前後に落ち着きます。

もう1つ、熱燗に向く酒と向かない酒がある点も押さえておきましょう。竹雀の中でも、旨味の乗った山廃純米 火入れや山廃純米酒 雄町は熱燗まで上げても崩れにくい一方、生酛純米吟醸 無濾過生原酒のような繊細な上位クラスは、上げても40℃前後で止めるほうが持ち味が残ります。まず低い温度から試し、少しずつ上げていくのが安全な進め方です。

合わせる料理で、旨味と酸をどう使うか

発酵食品同士を合わせて酸を受け止める

竹雀のように酸がしっかりある酒は、同じく発酵の力で作られた食べ物と相性が良くなります。味噌、醤油、漬物、塩辛、そしてチーズ。どれも酸と旨味を持っているため、酒の酸が孤立しません。

理屈としては、味の要素が重なると「対立」ではなく「同調」が起きるためです。酸のない甘い料理に酸の強い酒を合わせると酒だけが浮きますが、発酵食品の酸味と合わせると輪郭が溶け合い、どちらも角が取れます。

具体的には、ぬる燗にした山廃純米 火入れと味噌田楽、常温の生酛純米 無濾過生原酒 野網 山田錦とウォッシュタイプのチーズ、といった組み合わせが分かりやすい入り口です。家にあるもので試すなら、板わさや冷奴に醤油を少し多めに垂らすだけでも変化が分かります。

注意点は、酸の強い料理と合わせすぎないこと。酢の物や柑橘を効かせた料理に酸の強い生原酒を重ねると、酸が過剰になって舌が疲れます。酢を使った料理には、火入れで丸くなった山廃純米酒 雄町のようなタイプを常温で合わせるほうが収まります。

出汁の効いた煮物には旨味を重ねる

竹雀の旨味を最大限に楽しむなら、出汁の効いた煮物との組み合わせが王道です。おでん、肉じゃが、筑前煮、根菜の炊き合わせ。どれも竹雀のぬる燗が支えになります。

この相性が良い理由は、日本酒のアミノ酸と出汁のグルタミン酸・イノシン酸が旨味の相乗効果を起こすためです。単体では穏やかな旨味同士が、口の中で足し算以上に膨らみます。しかも温度帯が揃うため、温かい料理に温かい酒という体感的な心地よさも加わります。

実践のコツは、料理の温度と酒の温度を近づけること。熱々のおでんに冷酒を合わせると口の中の温度が乱高下して味が分からなくなります。40℃前後のぬる燗にしておくと、料理と酒の境目がなくなり、食事全体がまとまります。

豆知識として、煮物の中でも砂糖やみりんを強く効かせた甘い煮物には、超辛口シリーズを冷やして合わせるほうが合います。甘い料理には甘くない酒、という単純な対比が有効に働く場面です。

超辛口シリーズは脂を切る役に回す

竹雀の超辛口 純米 無濾過生原酒や純米 超辛口 うすにごり 無濾過生原酒は、料理と同調させるのではなく、口の中をリセットする役割に振ると持ち味が出ます。

アルコール度数17度の生原酒は、脂を溶かして流す力があります。唐揚げ、餃子、豚の角煮、脂の乗った魚の塩焼き。こうした料理を一口食べたあとに冷やした超辛口を含むと、脂の膜が消えて次の一口が新鮮に感じられます。

合わせる温度は8〜12℃程度。氷を入れたロックにすれば度数が下がり、脂の多い料理を長く食べ続けても疲れません。夏場のバーベキューや、揚げ物中心の食卓と特に噛み合います。

注意したいのは、繊細な料理と合わせないこと。白身魚の刺身や薄味の椀物に度数17度の超辛口を合わせると、料理の側が完全に負けます。竹雀は同じ蔵の中でも役割分担がはっきりしているので、その日の献立から逆算してラベルを選ぶのが賢い使い方です。

どこで買える?入手ルートと開栓後の扱い方

取扱いは全国の地酒専門店が中心

竹雀を探すときの基本方針は、スーパーや量販店ではなく、地酒を扱う専門の酒販店を当たることです。ネット上で竹雀を扱っているのは、横浜、千葉、仙台、岐阜など各地の地酒専門店のオンラインショップが中心になります。

なぜ流通が細いのかというと、蔵の規模が小さく、生産量そのものが限られるからです。加えて無濾過生原酒が多く、冷蔵での輸送・保管が前提になるため、温度管理のできる店にしか卸せません。取扱店の中には、マイナス5℃管理とチルド配送を掲げる店もあります。

実際の探し方としては、「竹雀 取扱店」で検索してオンラインショップを回るのが最短です。ただし、どの店がすべての商品を揃えているわけではなく、店によって扱うラインナップが異なります。狙いの商品が決まっているなら、複数店をブックマークして入荷情報を追うのが確実です。

注意点として、価格は店ごとに差があります。この記事で挙げた金額もすべて取扱店の公表値であり、同じ商品でも数百円の開きが出ることがあります。送料や冷蔵便の追加料金も含めた総額で比較してください。

蔵に直接問い合わせるという選択肢

「どうしても地元で手に入れたい」「取扱店が近くにない」という場合、蔵に直接問い合わせるのも一つの方法です。連絡先はこの記事の前半に置いた店舗情報カードに掲載しています。

ただし前提として、大塚酒造は家族経営の小さな蔵で、造りの最盛期である冬場は蔵人が仕込みに集中しています。問い合わせの際は時間帯に配慮し、用件を簡潔にまとめて連絡するのが礼儀です。

また、蔵は公式の通信販売サイトを運営していないため、遠方から取り寄せたい場合は取扱店経由のほうが現実的です。特に無濾過生原酒は冷蔵配送が必要なので、その体制を持つ酒販店を選んだほうが酒の状態も守られます。

豆知識として、地酒専門店では「この蔵のこういう酒が飲みたい」と伝えると、在庫や入荷予定を教えてくれることがよくあります。竹雀のように取扱店が限られる銘柄では、店員さんとの関係が最良の入手ルートになることも珍しくありません。

無濾過生原酒は冷蔵が前提、常温放置は避ける

竹雀のラインナップは無濾過生原酒が多く、ここで最も多い失敗が「買って帰って台所に置いたまま数日過ごしてしまう」というものです。

生酒は火入れ(加熱殺菌)をしていないため、酵素や微生物が生きたまま瓶に入っています。常温に置くと反応が進み、数日で香りが変質します。いわゆる生老ね(なまひね)と呼ばれる、たくあんや古い油のようなにおいが出る状態です。一度こうなると元には戻りません。

対策は明快で、購入したらその日のうちに冷蔵庫へ入れること。持ち帰りに時間がかかるときは保冷剤を入れた袋を用意し、通販ならクール便を選びます。開栓後も冷蔵庫で立てて保管し、720mlなら2〜3週間、1800mlなら1か月を目安に飲み切るペースを組みます。

⚠️ 注意:必ず知っておきたいこと

竹雀の無濾過生原酒(生酛純米吟醸、野網 山田錦、うすにごり、夏酒、雄町70など)はすべて要冷蔵です。購入後は速やかに冷蔵庫へ入れ、開栓後も冷蔵のまま立てて保管してください。うすにごりや活性系はガスを含む場合があるため、開栓は必ず冷やした状態で少しずつ行います。なお、20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

生酒の性質と保存の考え方は、こちらの記事でさらに詳しく整理しています。

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あえて寝かせて変化を楽しむという上級者の遊び方

もう一段踏み込んだ楽しみ方として、竹雀を意図的に熟成させる方法があります。取扱店も生酛純米 無濾過生原酒 野網 山田錦について「寝かせるほど旨味が増していきます」と説明しています。

なぜ熟成が効くのか。生酛や山廃で仕込まれた酒はアミノ酸が多く、時間の経過とともにアミノ酸と糖が反応して熟成香や色が生まれます。これが厚みとまろやかさにつながります。蔵が山廃純米 火入れを3年熟成させてから出荷しているのも、同じ発想です。

家庭でやるなら、冷蔵庫の中で光を避けて立てて置くこと。半年ごとに同じ商品を1本ずつ買い足し、飲み比べると変化が体感できます。生原酒は度数が17〜18度と高く、熟成に耐える体力があるため、この遊びに向いています。

注意点は、すべての酒が良い方向に熟成するとは限らないこと。特に生酒は冷蔵でも変化が速く、狙った以上に進むことがあります。まずは1本を数か月単位で追いかけ、自分の好みの着地点を見つけてから本数を増やすのが安全な進め方です。

まとめ

🍶 この記事の結論

竹雀は岐阜・大塚酒造の純米酒で、香りより旨味と酸で勝負する燗向きの銘柄です。まずは通年商品の山廃純米 火入れを常温とぬる燗で試してください。

✅ 要点チェック
  • ✔ 造りで選ぶ:生酛は複雑、山廃は日常向き
  • ✔ 火入れか生か:常温保管なら火入れ、濃さ重視なら生原酒
  • ✔ 精米歩合で選ばない:60〜70%が主力の設計思想
  • ✔ 温度で選ぶ:冷酒より常温〜40℃前後が本領
  • ✔ 買う場所で選ぶ:冷蔵管理のある地酒専門店を優先

竹雀という銘柄は、廃業寸前だった小さな蔵が「自分たちの名前で酒を出す」と決めたところから始まりました。だからこそ、香りで一瞬の驚きを与えるのではなく、旨味と酸で長く飲ませる方向に振り切っています。最初の一歩としておすすめしたいのは、山廃純米 火入れを一本買い、同じ酒を冷蔵庫から出したて・常温・40℃前後のぬる燗の3段階で飲み比べてみることです。同じ液体が温度だけで別の顔を見せる体験ができれば、この銘柄との距離は一気に縮まります。

※本記事のスペック・価格は取扱酒販店および蔵元情報の公表値をもとにしています。醸造年度や販売店によって変動するため、購入前に最新情報は各販売店の公式ページでご確認ください。

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日本酒の教科書編集部です。日本酒の基礎知識・銘柄情報・飲み方を、酒蔵公式情報や公的情報、販売店情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、仕様変更や流通状況の変化があれば更新します。

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